妻「彼の関係者から猛反対されました。両親や親友、彼のことを大切に思っている人たちほど、『真は結婚には向いていない。あなたが不幸になるから、やめておきなさい』って。彼のお母さんからは『あなたが不幸になるの、私はかわいそうで見てられない!』って。その理由は、あとからよくわかりましたけど(笑)」

――両家顔合わせもなく結婚。格闘の日々が始まった…。

妻 「彼はずっと、音楽的に不満を抱えていて、コンサートから帰ってきてはお酒を飲んで物を壊したり」

夫「本当に幼稚でした」

妻「アメリカで評価されて、全米デビューもして。けど、日本では自分の音楽ができない。むしろ『これなら皆さんにも理解できるでしょ?』って、個性を変にねじ曲げてました」

夫「あるとき、ゲイリー・バートンのツアーに呼ばれてヨーロッパを回ったんですよ。でも、彼の音楽に自分を合わせていくのがつらくなってきて」

妻「一度、思いっきり弾いてみたら?って言いました。それで怒られてクビになっても仕方ないじゃないと」

夫「イタリアのウンブリアだったね。ソロを思い切り弾いたら、お客さんがウワーッて大歓声で」

妻「ゲイリーも彼を抱きしめて『素晴らしかった!』って言ってくれたんです」

夫「そのとき『これでいいんだ!』って。目指すべきところが見えたんですよ」

週刊朝日 2015年5月29日号より抜粋