動物写真家の岩合光昭さんの世界のを訪ねる旅をお送りする。今回は、フランス・ボニューの猫。

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 まるでヒトのように、2本足で立つ猫。鋭い眼光で見つめる先には──。

 1年のうち300日ほど晴天に恵まれるという、南仏のプロヴァンス地方。丘の上に石造りの家並みが連なるボニュー村は、自然豊かな風景が広がる、フランスでも指折りの美しい田舎として知られる。

 オスの黒猫リルーは、斜面の下にいる猫を見つめている。猫らしからぬ伸びた背筋は、思わず人が中に入っているのではないかと疑ってしまうほど。探究心は猫背をもにゃおすのか……。

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週刊朝日  2015年5月22日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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