思いの外、薄くしなやか 自分好みの様々な表情がつくれる2014年の新作。広げた状態もさることながら、巻いたときに柄や色の組み合わせが映える絶妙なバランス。三角に折ってふわりと巻くのが定番だが、筆者のお気に入りは三角の頂点が正面にくるアフガン巻き(撮影/外山亮一・スタジオ・テンフォー)
思いの外、薄くしなやか 自分好みの様々な表情がつくれる2014年の新作。広げた状態もさることながら、巻いたときに柄や色の組み合わせが映える絶妙なバランス。三角に折ってふわりと巻くのが定番だが、筆者のお気に入りは三角の頂点が正面にくるアフガン巻き(撮影/外山亮一・スタジオ・テンフォー)
上着との組み合わせ自在(撮影/外山亮一・スタジオ・テンフォー)
上着との組み合わせ自在(撮影/外山亮一・スタジオ・テンフォー)
ドレープの表情が美しい(撮影/外山亮一・スタジオ・テンフォー)
ドレープの表情が美しい(撮影/外山亮一・スタジオ・テンフォー)

 週刊朝日で好評連載中の「美意識ある生活」。生活品評論家の東海左由留(とうかい・さゆる)さんが厳選したひと品を紹介している。東海さんは日本とヨーロッパで「生活をより豊かに」をテーマに様々なアイテムやサービス、ライフスタイルを取材。自腹で購入し、時間をかけて使用感を検証している。

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 今回は、エルメスのカシミアシルクショールを紹介する。

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■半年以上、使い回せるファッションアイテム

 かれこれ15年ほど愛用しているのがエルメスのカシミアシルクの大判ショール。確かに値段は張る。だが、それ以上のありがたみを感じる品なのだ。

 ロングコートは真冬に限られ、着られる期間は意外と短い。長い年数使えても、デザインが古くさくなって新しいものが欲しくなる。すると、いつの間にか増えてクローゼットで場所を取る……。この悪循環を断ち切る手だてとして到達したのがこの大判ショールだ。買い換えるコートの予算をこちらに回したのは、秋から春まで半年以上使い回せて、一枚巻くだけで装いが俄然華やかになるからだ。しかも、合わせられる服の幅が広い。

 使い始めると、ことのほか重宝。140×140センチとかなりの大判だが、薄く、軽く、しなやかなので巻き方自在。柄のデザインが秀逸で、どんな巻き方でも様になる。加えて肌触りが極上で暖かい。朝晩肌寒い地域への春夏の旅行や機内にも必ず持参する、手放せない一枚。

<今日の逸品>
エルメス カシミアシルクショール 140×140cm 14万1000円(税別)
問い合わせ先:エルメスジャポン

週刊朝日 2014年10月17日号