こんなにたくさんの自社製品が届く(日本製粉、3月・9月) (c)朝日新聞社 @@写禁
こんなにたくさんの自社製品が届く(日本製粉、3月・9月) (c)朝日新聞社 @@写禁

 かつてないブームを起こしている株主優待制度。さまざまな商品や食事券などが企業から貰え、中には30万円相当の旅行券を贈呈する企業もある。今秋、今冬にもらえるスゴイ株主優待を専門家3人に厳選してもらった。

 選んでもらったのは、この3人。“株主優待王”としてお茶の間で有名になった、元プロ棋士の桐谷広人さん(64)、エフピーウーマン取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵さん、優待生活を綴るブログで圧倒的人気を誇る30代のブロガー“かすみちゃん”(本名非公表)だ。

 まず、11月はどうか。

 桐谷さんと高山さんが注目するのは、総合不動産の「サムティ」。高級マンションからホテルまで幅広く手がけて業績がいい。優待は自社ホテルの宿泊割引券(3千円~)と太っ腹だ。

 桐谷さんは「業績が悪ければ優待がなくなる可能性もあるため、売上高や利益のチェックも大切です」とアドバイスする。

 3人のおすすめの「キャンドゥ」は100円ショップとしての知名度も業績も抜群。かすみちゃんは「優待でたっぷり大人買いできる」とご満悦だ。

 高山さんもキャンドゥ推しだが、「雑貨が好きならヴィレッジヴァンガード。商品がオシャレなので、とくに女性の間で人気が急上昇」とも話す。「ヴィレッジヴァンガード」では、100株以上の保有で千円分の買い物券が10枚もらえる。

 次に、ボーナスの入る年末、12月をみてみよう。

 桐谷さんは「ダンロップスポーツ」や通販の「千趣会」などを挙げる。

「ダンロップは配当が3%を超える。前回は、帽子とスポーツタオルのセットをもらいましたが、テニスボールやゴルフボールももらえるので趣味に合わせて選べます」

 高山さんが注目する12月の銘柄は、「アサヒグループ」や「ポーラ・オルビス」。

「アサヒといえば限定ビール。これを目当てに株主になる人もいるくらい根強い人気。優待品は毎年GW前に飲めるように届く。個人株主への気遣いを感じます。ポーラは米倉涼子さんがCMに出る商品が世代を問わずに人気で、箱根のポーラ美術館の入場券もあるので家族やカップルで楽しめる」

 一方、かすみちゃんは気軽に使える食事券がもらえる「マクドナルド」や、カジュアルダイニング・KICHIRIを運営する「きちり」などをチョイス。

「マックは店舗が多いし切り離せるシートなので、気分に合わせてお茶でもがっつりいきたいときでも使える(笑)。『KICHIRI』はいつも混んでいるので今後の株価上昇に期待です」

 さて、最後に年明けの1月をみてみよう。桐谷さんが挙げたのは、5キロのコシヒカリがもらえる「積水ハウス」や、クオカードがもらえる不動産の「コーセーアールイー」だ。

 高山さんが選んだのは化粧品の「ドクターシーラボ」。

「一昔前は海外では資生堂が有名でしたが、今はドクターシーラボのアクアコラーゲンゲル! 中国で大ブレーク中ですよ」

 高山さんとかすみちゃんが推す「クロスプラス」は、今年の優待品が女性用チュニックだった。また隠れた楽しみもあるという。

「抽選で10人に30万円相当の旅行券が当たるので宝くじ感覚でドキドキできる。宝くじより当たる確率は高そうだし」

 かすみちゃんは、女性向け雑貨などの「ミサワ」もいいという。

「前回は5千円相当のワインやタオルなどから優待品が選べたけど、ふわっふわの質の良いタオルで気持ちよかった~」

 なんだか幸せそう。上手に選べば楽しい優待ライフで、ちょっとリッチな気分を味わえるのだ。目を養って、挑戦してみる?

週刊朝日  2014年10月24日号より抜粋