2014年のセンター試験の様子 (c)朝日新聞社 @@写禁
2014年のセンター試験の様子 (c)朝日新聞社 @@写禁

 来年1月17、18日に実施されるセンター試験の出願が9月29日から始まった。来年から数学と理科は新課程による出願となる。要注意なのが理科だ。大学・学部ごとに受験科目の選択方法が指定されるため、2次出願後に失格者にならないよう、念入りに確認しよう。

「来春の入試は、国公立大志望の文系の生徒にとって、千載一遇のチャンスです」

 こう語るのは、駿台予備学校進学情報センターの石原賢一センター長だ。

 もともと文系不人気、理系人気の「文低理高」で、文系の受験生は少ない。さらに今春の受験では、脱ゆとり世代と一緒に受験するのを恐れた旧課程最後の受験生が浪人を回避したため、今年の浪人生は前年より10%以上少ない。特に文系の浪人生が減っている。

「8月に実施した東大入試実戦模試の受験者数をみると、理系は現役生も浪人生も昨年比で4%減なのに対し、文系の浪人生は19%も減っています」(石原氏)

 そのうえ、今まで1科目でよかった文系の理科が、来年から2科目基本になるため、国公立大が敬遠される傾向がある。そこで国公立文系の場合、浪人生だけでなく、現役生のライバルも減っているというわけだ。

 来年からセンター試験で大きく変わるのは数学と理科だ。新課程に対応した出題がされるが、浪人生は来年に限り、経過措置として旧課程で受けられる。

 数学の場合は旧課程と新課程でそれほど大きな変化はない。数学Aと数学Bの選択問題については、出題分野が発表されている。

 問題は理科だ。新課程科目を受験する場合、表のようにA~Dの4種の科目選択方法から一つを選んで、出願時に登録する。A~Dのどれで受けるべきかは、各大学・学部が指定する。

 代々木ゼミナール入試情報センター統括本部長の坂口幸世氏によると、文系は基礎2科目を選ぶA、理系は専門2科目で受けるDが一般的だという。

「基礎科目の解答時間は2科目で60分と短いし、内容も基礎ですから、あまり難しい問題は出ないはずです。文系の現役生は強気に第1志望を目指しましょう。注意が必要なのは、Cと看護学科です」(坂口氏)

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