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ホリエモン「寿命を迎えつつある居酒屋とは」

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(更新 )

 元ライブドア代表取締役CEOの堀江貴文氏が、居酒屋業界の今後について、こう指摘する。

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■居酒屋「和民」の来客数が大幅減少

 コンビニエンスストアが、自炊をしない、主に単身層のマーケットに力を入れていることが大きな理由だろう。さらに激安ファミレスでのファミレス飲みが流行っているのも、理由の一つにあげられる。コンビニは、全国にチェーン展開をして、大手の資本力でメニュー開発も大規模に資本を投下して行うことができる。もちろん和民も大手だが規模が違う。さらに激安のファミレスも居酒屋チェーンに比べると値段が安い。コンビニで売られているようなレベルの値段で、お酒を頼めばまるで居酒屋のように楽しむことが可能だ。

 さらに「金の蔵Jr.」などに代表される激安居酒屋の存在も「和民」の不振に拍車をかける。格安が売りだったのに、もっと安い業態が出てきたというわけだ。長引いていたデフレの影響で居酒屋業界にとどまらず、いろいろな業種で激安勝負が行われてきたが、それは主に人件費へのしわ寄せとなり、ブラック企業の代名詞みたいな形で「和民」も扱われるようになった。

 最近話題の牛丼チェーン店「すき家」も同じだ。コンビニなどは今や多くの従業員が外国人だ。すでに日本人の働く職場ではなくなりつつある。もともとそういう職場で働いていた人はどうしているのだろうか。生活保護でももらっているのかもしれない。

 一方、個人経営の居酒屋は、さまざまな工夫をして新しいオリジナルメニューやマニュアル化されていない接客で人気店はいつも大繁盛だ。また、居酒屋でもさまざまな新しい業態を開発しているところは今でも元気である。ただただ古い居酒屋という業態で、そこそこおいしい物を食べさせればいいという時代ではなくなってきているのだ。

 当たり前のことであるが、常にイノベーションを起こし続けなければならない。私は先日、恵比寿横丁に行ってきた。恵比寿駅東口方面にある、20軒以上のいろいろな店が軒を連ねる「横丁」だ。できたのは2008年ごろと新しい。横丁のホームページによれば、昔栄えていたが、落書き付きシャッターのまま長年休眠していたアーケードの跡地に、個性溢れる個人店を集結させ、活気ある「横丁」として再生しようと、企画を立てたらしい。

 いまでは連日、夜遅くまでどの店も満席で座れないこともある。人々はただ安さだけを求めて居酒屋に行くのではない。例えば恵比寿横丁は隣の席との距離が非常に近い。だから隣で飲んでいる人と自然に仲良くなることができる。どんな出会いがあるかわからないようなドキドキ感、店のスタッフとの自然なふれあい、そんなライブ感も含めてのヒットなのだろう。

 恵比寿横丁のヒットで全国に同じような業態ができつつある。ロケット開発の工場から近い北海道の帯広でも、いちばん賑わっているのは、まだできて間もない横丁エリアだった。業種なんて関係なく、大切なのはイノベーションなのだ。

 昔ながらの「安い居酒屋チェーン」という業態が寿命を迎えつつある。

週刊朝日  2014年10月3日号

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