議員が活動費用を集めるために開催する政治資金パーティー。4月は真っ盛りで、センセイたちは必死に2万円のチケットを企業や知人に売り込んでいる。
そんな中、今年は意外な人物がパーティーを開催することがわかり、永田町で話題だ。
「自民党の笹川博義衆院議員(47)ですよ。群馬県議を経ておととしの総選挙で初当選した新人ですが、おじいさんもお父さんも超がつくほどの資産家。なぜお金を集めるの?とみんな驚いています。しかも4月21日に開催する場所が、格安の公共施設の憲政記念館。『変な事業に手を出して失敗したんじゃないか』なんてウワサも出ています」(自民党中堅議員)
笹川議員の祖父は元日本船舶振興会会長の故・良一氏。父親の尭(たかし)氏(78)は自民党総務会長などを務め、14年前の資産公開では27億円と政界トップだった。趣味は外車で、ロールスロイスに乗って登院したことも。当然、政治資金パーティーを開いたこともない。
一方、息子の笹川議員は「愛車は国産のスバル車。太田市内の自宅も普通の一軒家で、小学校のPTA会長もする庶民的な人」(近所の人)だという。
親子でも対照的な二人。とはいえ、尭氏の面倒見の良さは有名だ。アノ石破茂幹事長も長年、銀座でごちそうしてもらっている。息子への“子ども手当”もタンマリあげているのではないか……。国会内で笹川議員を直撃した。
「そんな、子ども手当なんかもらっていませんよ(笑)。事業にも失敗していません。資金を集めなくていい人はやらないし、必要な人はする、それだけのことです。国会議員になって1年4カ月。東京にも応援してくださる人ができたので感謝をこめて開きたいなと。それだけですよ」
自分は自分と強調する笹川議員。だが最近、自民党議員の事務所に尭氏からの手紙が届くという。
「『私と違って息子は貧乏議員なので、パーティーにご参加ください』と書かれていました。それなら親が券を買ってあげればいいのにとも思いましたが(笑)」(同党ベテラン秘書)
獅子の子落とし、といったところか。
(本誌取材班)
※週刊朝日 2014年4月25日号