600人中4割に不具合が…専門家が指摘するレーシック手術の落とし穴 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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600人中4割に不具合が…専門家が指摘するレーシック手術の落とし穴

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週刊朝日#健康
レーシックの手術に使われるレーザー機器 (c)朝日新聞社 

レーシックの手術に使われるレーザー機器 (c)朝日新聞社 

「手術から半年くらいして、目に激痛が走るようになりました。休んでも目薬をさしても効果がなく、あまりにも痛いので通勤中はほとんど目をつぶってフラフラ歩いていました。パソコンをしていると悪化するので、仕事をやめざるをえませんでした」

 7年前に手術を受けた30代の女性Aさんは、レーシックの被害についてこう語った。

 レーシックとは角膜の中央部の表面を薄くめくり、その下の層をレーザーで削り取る手術だ。角膜の中央部が薄くなることでその屈折率が変化して、近視が矯正される。

 日本では2000年、手術に使われる「エキシマレーザー装置」が医療機器の認可を受けて、普及が始まった。今ではインターネットを覗けば、いたるところにバナー広告が貼られており、多くの人が知る手術となっている。

 それにもかかわらず、レーシックは危険なのか。

 昨年末、安全性に大きな疑問が投げかけられた。

 安易に手術を受けることは避けるようにと、消費者庁が注意勧告を発表したのだ。600人のサンプルを対象にしたアンケート調査によれば、約4割の人が手術の後に何らかの不具合を感じているという。

 消費者庁の担当者は語る。

「約4割の人が感じている不具合の多くは、ドライアイなど、程度の差こそあれ、どうしても生じてしまう症状です。手術の失敗とは別のものです。ただ、すべての人が手術に成功しているわけではありません。中には重大な危害が加えられたという報告もあります」

「医療問題弁護団」の責任者としてレーシックの被害実態把握と救済に取り組む、梶浦明裕弁護士はこう指摘する。

「最大の問題は、一部の病院が、適さない体質の人にも手術をしてしまっている可能性があること」

 前出のAさんも、本来ならば手術を受けてはいけない体質だった。レンズの屈折力を表す単位「D(ディオプトリ)」がマイナス10Dを超える、強度の近視だったのだ。

 日本眼科学会のガイドラインによれば、マイナス10Dを超えるとレーシックは適応外になる。角膜を削りすぎてしまうことで、さまざまな被害の生じる可能性が高くなるからだ。

 Aさんの場合、角膜の屈折率が変化しすぎたことで、近くが見えづらくなってしまったという。

 梶浦弁護士によると、4月4日の時点で152件の被害報告が弁護団に寄せられており、そのうちの43件が、医療機関側に「問題がある」として、継続して相談に乗っている。

 前出のAさんはこう言う。

「ガイドラインの適応外だったのに、私を担当した眼科専門医は、そのことについて一言も触れずに手術しました。また、私は右眼の視線の方向が少しずれている外斜位があったため、視力が急変したことで、物が二重に見えてしまうようにもなりました。二つの失敗が重なったことで、ひどい眼精疲労や頭痛を常に感じています」

 現在、Aさんは斜位を矯正する重いプリズム眼鏡をかけて生活している。

 視力は1.5だが、パソコンの使用や車の運転には支障をきたしており、仕事は難しい状況だという。

(本誌・福田一雄)

週刊朝日  2014年4月18日号


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