黒子のバスケ事件 初公判で36歳被告「とっとと死なせろ!」と叫ぶ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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黒子のバスケ事件 初公判で36歳被告「とっとと死なせろ!」と叫ぶ

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週刊朝日

 男の嫉妬は女より面倒といわれるが、ここまで倒錯的な嫉妬心にかられた男も極めて珍しい。

 人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」の関係先に約500通の脅迫文を送りつけたとして、昨年12月に威力業務妨害の容疑で逮捕された派遣社員の渡辺博史被告(36)。3月13日、この事件の初公判が東京地裁で開かれた。

 入廷した渡辺被告は、上下グレーのスウェットにサンダル姿。逮捕時に比べ、髪は伸び、少し痩せたように見えた。

 検察側の冒頭陳述によると、渡辺被告は2012年10月、「黒子のバスケ」作者の出身校である上智大学(東京都千代田区)に硫化水素が発生した容器と脅迫文を置いたり、13年10月にコンビニ大手のセブン―イレブン・ジャパンと玩具大手のバンダイへ、漫画の単行本などの販売中止を求める脅迫文と、ニコチンを混入させた関連菓子を郵送して、商品を回収させたりしたとされる。起訴内容について問われた渡辺被告は、妙にハキハキした丁寧な口調で「一切まちがいございません」と全面的に認めた。

 犯行の動機については、

「手に入れたくて手に入れられなかったものをすべて持っている作者のことを知り、人生があまりに違いすぎると愕然(がくぜん)(とした)」

 自身の意見陳述では、「反省はしない。謝罪もしない」と言い放ったあと、年収が200万円を超えたことがなく、金銭的に責任が取れないため、出所したら自殺して責任を取ると宣言。社会復帰はしないという。

 意見陳述は裁判官に中断されて約15分で終わったが、最後にこう叫んだ。

「こんなクソみたいな人生やってられない。とっとと死なせろ!」

 本誌は渡辺被告の意見陳述の全原稿を入手。B5判のノート12ページにわたって、法廷で語れなかった心情が赤裸々に書かれていた。

<逮捕により実行はされませんでしたが、(中略)大手書店チェーンへの放火を計画していました>
<自分に対する刑罰が最高で懲役4年6ヶ月というのはおかしいと思います。(中略)「こんなキモい奴は死刑でいいじゃないですか!」という気持ちです>
<いわゆる「負け組」に属する人間が、成功者に対する妬みを動機に犯罪に走るという類型の事件は、ひょっとしたら今後の日本で頻発するかもしれません>(原文ママ)

 被告から2回犯行声明を受け取り、逮捕後に接見した月刊誌「創」の篠田博之編集長は、こう語る。

「本人はこの事件を『人生格差犯罪』と呼んでいます。学校でいじめられ、家庭で否定され、30代半ばになっても非正規雇用から抜け出せない。絶望して自殺を考え、最後に一矢報いたいと罪を犯した。そこには個人的な意図を超えた、社会的なメッセージが反映されています」

 犯罪は社会を映し出す鏡と言うけれど……。

週刊朝日 2014年3月28日号


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