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ポール・マッカートニー 印税暮らしをせず、なぜステージに?

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 ザ・ビートルズ、ソロなど長年のキャリアの中で、数々の名曲を世に送り出した20世紀最大のスーパースター、ポール・マッカートニー(71)。10月14日にはロックアルバムを6年ぶりにリリース、11月12日からは6年ぶりとなる日本ツアーが始まる。音楽評論家・湯川れい子さんが今もなお衰えないポールの魅力に切り込んだ。

湯川:ばかげた質問のように思われるかもしれませんが、これまでご自身で書かれた曲が何曲あるか、ご存知ですか?

ポール:僕が書いた曲の数かい? いや、わからない。

湯川:ご存知ない?

ポール:知らないよ。わざわざ数えたりしないよ。ただ、僕以外の人が数えてくれるのでね。それによれば、僕とジョン(・レノン)とではおよそ300近い曲を書いているらしい。なので、ジョンとの共作が300曲。それ以降、何曲も書いているけれど、いちいち数えてはいないんだ。新しい曲を書くのに忙しくて、過去の曲を分析したり、数えている暇はない。僕は過去を振り返るのではなく、常に先に進みたいタイプなんだ。でも有り難いことに、僕には僕の代わりに過去を振り返ってくれる人が大勢いる。たとえば僕が「あれは何年前のことだっけ?」とたずねれば、君が「47年前」と言ってくれる。そこで僕は「そうだと思った」と言うのさ。

湯川:(笑)

ポール:つまり、そういった質問に答えてくれる人たちが大勢いるので、僕はそのことを考えずに済む。だからこそ、僕は新しい音楽を作り続けられる。嬉しいね。

湯川:ものすごくぶしつけな質問なんですけど、それだけたくさんの曲があって、十分に印税で暮らしていけるのに、これだけ苦しい思いをして、ワールド・ツアーをされるのはどうしてですか?

ポール:答えは……。好きだからさ。ツアーが好きなんだ。人によっては「君には十分金があり、金を必要とはしていない。なのになぜやるんだ?」と言うかもしれない。でもそういう時、僕はこう言うんだ。「一度でいい、僕らのショウを観に来てごらん。そうすれば、なぜ僕がやるのかがわかるはずだから」と。とにかく素晴らしいオーディエンスなんだ。何よりも、僕はライヴが好きだ。僕はミュージシャンだから、音楽を演奏するのが好きなんだ。ピアノ、ギター、ベース……。プレイする楽器に心を奪われている。いまだに、学び続けているんだよ。

週刊朝日 2013年10月25日号


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