10月以降も駆け込み需要が続くモデルルーム (c)朝日新聞社 @@写禁
10月以降も駆け込み需要が続くモデルルーム (c)朝日新聞社 @@写禁

 消費税が8%に引き上げられる来年4月まで、あと24週となった。人生で最も高い買い物のひとつ、マイホームでは、消費増税の影響は家計を大きく左右する。住宅の場合、消費税は引き渡される時点の税率が適用される。5%で済ませるには、来年3月末までに引き渡しを完了する物件を探すしかない。だが、住宅ジャーナリストの櫻井幸雄氏は、「増税後の税率8%が適用される住宅のほうが得になるケースもある」と指摘する。

「1997年、消費税率が5%に上がったときにも同じように猛烈な駆け込みが起きました。その反動で増税後の1年間は住宅の売れ行きが2割程度落ち込んだ。こうした事態を避けるために、政府は住宅取得にかかる負担軽減措置を用意しています」

 その負担軽減措置というのが、住宅ローン控除額を2倍にする「住宅ローン減税の拡充」と、中低所得者を対象に現金を給付する「すまい給付金」だ。

 現行の住宅ローン減税では、ローンを組んでマイホームを買った場合、年末時点のローン残高のうち2千万円までは、その1%に相当する額が所得税や住民税から控除される。期間は10年間なので、最大控除額は計200万円になる。

 それが税率8%になる来年4月以降は、ローン残高の上限が4千万円に増え、控除額は10年間で最大400万円に拡充されるのだ。また、住宅ローン減税控除枠を使い切れない中低所得層向けには、収入に応じた額の現金が、すまい給付金として1戸当たり10万~30万円給付される。

 こうした軽減措置の恩恵を受けることで、税率8%が適用される住宅を買ったほうが得になるケースがあるのだ。

週刊朝日 2013年10月25日号