ご当地アイドルに、地下アイドルとさまざまなジャンルで細分化するアイドル界。元ライブドア社長の堀江貴文氏は、ツイッター生まれの「スルースキルズ」に時代の変革を見たという。

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 先日、原宿のライブハウスで行われた「スルースキルズ」というアイドルグループのライブに行ってきた。おそらく、ご存じない方がほとんどだろうが、200~300人は入るかと思われるライブハウスのフロアは超満員で、2ステージ行われたそうだ。

 いちばん前のほうはいわゆるアイドルオタクたちで占められていて、超特大のサイリウム(光る棒みたいなやつ)を振るとメッセージが流れるようになっている代物まで持ち込んでいる猛者もいた。

 実はこの「スルースキルズ」は、お笑いコンビのロンドンブーツ1号2号の田村淳さんがツイッターでやっていた企画「淳の休日」から生まれたアイドルグループなのである。

「淳の休日」はツイキャスというツイッターと連動するモバイルライブ映像配備システムで中継されている。同時に数百人以上が見ているサービスで完全無料である。大人の文化祭をやったり、公園にフォロワーさんを集めて即席ライブをやったりと、テレビではなかなか難しい企画を半ば思いつきに近い形で行っているおもしろい試みだ。

 ツイキャスでオーディションを公開し、詞や曲、衣装やロゴに至るまでフォロワーさんが全てプロデュースするという前代未聞の企画。どうやら完全にガチで行ったらしい。すでに2期生まで募集してデビューしており、選抜メンバーもチケットの売り上げで決めるなど、シビアな感じは今や国民的アイドルグループになったAKB48並みにガチである。

 私自身は彼女らの曲を一度も聞いたことのない状態で参戦したのだが、会場はいい感じに盛り上がっていたし、驚いたのはツイッターをモチーフにした曲のレベルがかなり高く、初めて聞いても盛り上がれる曲がいくつかあったことだ。

 パソコンや音楽編集ソフトが手軽に手に入るようになったせいか、これまで埋もれていた才能がネットを通じて掘り起こされているのだ。つまりセミプロ、あるいはプロレベルの作詞作曲家がフォロワーさんのなかに存在しているのである。

 ライブの告知は基本的にツイッターを通じて行われる。メンバーも各自フォロワーを抱えていて、一生懸命リプライを返してファンを惹きつける。選抜メンバーに選ばれれば、ずっとステージで踊り歌っていられるからだ。地方遠征などは予算の関係もあるのか、選抜メンバーしか行くことができないシステムになっているようだ。

 そんな彼女らの奮闘を見つつ、時代が確実にソーシャルメディアを通じて変わりつつあるのを感じている。これまではテレビを通じてしかメジャーになる道がなかったけど、AKB48も劇場公演から地道に積み上げていった。

 バーチャルでメンバーを募集し、作詞作曲すらネット上で行ってしまう。告知も集客も全てネットベースだ。もちろんCDやDVDの販売もネットを通じて行われる。モバイルブロードバンドがもっと普及すれば映像配備、ライブ配信もネット上で全て行われるようになるだろう。

週刊朝日 2013年10月4日号