C型肝炎「3剤併用療法」は8割に効果あるも強い副作用も 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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C型肝炎「3剤併用療法」は8割に効果あるも強い副作用も

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 肺、胃、大腸に次いでがん死亡者数の第4位を占め、年間約3万2千人が亡くなる肺がん。その原因の7~8割はC型肝炎だ。難治例にも効果を上げる「3剤併用療法」が、いま治療の第一選択になりつつある。

 東京都中野区在住の沼田仁美さん(仮名・49歳)は、C型肝炎にかかっていた父親に勧められ、40歳のとき、近くの病院で検査を受けた。

 C型肝炎は血液を介してC型肝炎ウイルスに感染することで発症する。約7割が慢性化し、20~30年の長い時間を経て肝硬変や肝がんになってしまう。初期にはほとんど病状が出ないが、肝硬変や肝がんへの進行を予防するため、薬物の注射や服用により、ウイルスを排除する治療を行う。

 沼田さんは結果が陽性でC型肝炎と判明。検査をした病院で、抗ウイルス薬であるインターフェロンの治療を開始した。週3回の注射で、倦怠感や発熱など、副作用も出るつらい治療だ。半年間続けたが、ウイルスは陰性にならなかった。

 2011年、「3剤併用療法」という新しい治療法が承認されたことを知り、順天堂大学順天堂医院の消化器内科でこの治療を受けることになった。

 C型肝炎ウイルスには1a、1b、2a、2b、の四つの型があり、沼田さんは、インターフェロンが効きにくい難治性の1b型だった。

 3剤併用療法は、以前から使われているペグインターフェロンとリバビリン、それに加えてテラプレビルという新しい抗ウイルス薬を使う。12週間3剤を投薬し、その後の12週間はテラプレビル以外の2剤を投薬する。テラプレビルは1日3回、8時間ごとに食事をして食後に服用、リバビリンは1日2回服用、ペグインターフェロンは1週間に1回注射する。通常は最初の2週間は入院し、経過を見ながら治療が進められる。

 沼田さんを診た同院消化器内科主任教授の渡辺純夫医師は、次のように話す。

「3剤併用療法は、約8割に効果が見られる、有効な治療法です。ペグインターフェロンとリバビリンの2剤併用療法のウイルス排除率が50%であるのに比べても、かなり効果が高いことがわかります」

 沼田さんは治療開始から1週間でウイルスが陰性になり、その後も投薬を続け順調に陰性を保っていた。しかし6週間後には、副作用で全身に発疹が出て、やむを得ずテラプレビルの投与を中止することになった。

 テラプレビルは副作用が強く出やすいため、慎重に治療を進める必要がある。最も多く見られるのが、赤血球が破壊されることで起こる溶血性貧血だ。また、発熱や、尿酸値が上がるために引き起こされる腎機能障害なども現れる。全身に発疹が出る皮膚病変は急に悪化することが多いので要注意だ。4割近い患者が、なんらかの副作用のために治療を中断せざるを得なくなるという。そのため、3剤併用療法は、肝臓専門医がいること、皮膚科医との連携が取れることなどの条件を満たした施設でしか実施が認められていない。

 沼田さんはテラプレビルの中止後、ステロイドの外用薬と抗ヒスタミン薬を使って発疹をコントロールしながら、ペグインターフェロンとリバビリンの投与を24週間続け、治療を終了した。現在も2カ月に一度の定期検診を続けているが、ウイルス陰性が続いている。

週刊朝日 2013年10月4日号


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