中国からの輸入食品といえば、08年に日本中を震撼させた「毒ギョーザ事件」があまりにも有名だ (c)朝日新聞社 @@写禁
中国からの輸入食品といえば、08年に日本中を震撼させた「毒ギョーザ事件」があまりにも有名だ (c)朝日新聞社 @@写禁

 日本を震撼させた「中国製冷凍ギョーザ中毒事件」から5年。東日本大震災以後は、食品の放射能汚染にすっかり目が向いてしまったが、輸入食品の農薬や食品添加物の違反も、実はまだまだ続いている。

 厚生労働省のまとめによると、近年の輸入食品の届け出件数は、2009年度=182万1269件、10年度=200万1020件、11年度=209万6127件と増え、総重量は今や3340万トンを超えた。ちなみに20年前の1991年は72万950件、2370万トンで、届け出件数は約3倍、総重量は1千万トン近く増えている。

 そうした流れの中、特に2000年代に入って、日本の食品衛生法に違反する輸入品の残留農薬や食品添加物の問題が、たびたび報じられるようになった。

 近年、食品衛生法に違反した輸入品の件数を見ると、09年度=1559件(検査総数23万1638件)、10年度=1376件(同24万7047件)、11年度=1257件(同23万1776件)と微減だが、食品の安全検査を行っている農民連食品分析センター(東京都板橋区)の八田純人所長は警戒を緩めていない。

 「放射能に一気に注目が集まった結果、注視し続ける必要のあった農薬などの問題がかき消されている。中国産を中心とした輸入食品の違反の問題は依然、解消されていません」

 そこで週刊朝日は厚労省のデータをもとに、直近1年間(12年2月〜13年1月)の違反事例を調べてみた。

 総違反件数は1053件。ワーストは、日本にとって最大の食料品輸入元である中国の227件で、次いで米国の150、ベトナム118、タイ94、インド65と続く。

週刊朝日 2013年3月8日号