ヨーロッパを拠点に人もうらやむ“セレブ”生活を送っていた夫婦が絞殺され、埼玉県内の空き地の土中から遺体で発見されたショッキングな事件。容疑者は逮捕されたものの、「解決」というにはあまりにも多くの謎が残る。

「そもそも渡辺剛容疑者(43)は、2011年7月ごろから宮古島で地元女性と一緒に暮らし、東京と行き来しながら釣り三昧の生活をしていた。それが、なぜ昨年9月に急に殺人の準備を始めたのか。捜査員も困惑している」(警視庁関係者)

 疑念が広がる原因の一つには、被害者である霜見誠(51)氏が持つ“人脈”の特殊さがある。霜見氏の知人が証言する。「霜見氏にとって大きな分岐点となったのは1990年代末、仕手筋によく狙われることで有名な宝飾品会社の株で大きく稼いだことでした。『あれが人生を大きく変えた』と、本人も話していた。大物仕手筋の故・西田晴夫が絡んだともいわれ、以来、業界の“大物”たちと交流が生まれ、曰くつきの銘柄で稼いできたのです」。

 なかでも指摘されるのが、宝飾品や高級時計などの販売会社A社との関係だ。A社は98年に発覚した、地方銀行による巨額不正融資事件の舞台として知られる。

 暴力団関係者にも多額の資金が流れたとされるこの事件で、A社の創業者X氏は特別背任罪で逮捕された。そんなA社に、霜見氏が管理するリヒテンシュタインのファンド「ジャパン・オポチュニティー・ファンド」が、07年と11年に出資しているのである。

 今回、霜見氏の事件が発覚する直前の今年1月中旬、それまで10円台前半で横ばいだったA社の株価が突如、40円近くまで急騰した。これには、当のA社関係者も首をかしげる。「経営陣の誰もなぜ上がったのかわからず、社内は騒然としていました。当時、社内で意見が一致したのは、霜見氏がX氏のカネを持って来日し、株価を釣り上げたのではないかということでした。もともと霜見氏とX氏は近い関係だという見方がありましたから」。

週刊朝日 2013年2月15日号