今年、各界で飛び、翔けるであろう逸材たちがいる。ドラマ「おじいさん先生」で俳優デビューし、映画、ドラマ、CMに多数出演する永山絢斗(ながやま・けんと)もその一人だ。

 週刊朝日の新年最初の発売号に袴姿で登場しトップページを飾った。「着物は持ってないけど、いいものですね。腰が結構きつく締まっているし、やっぱりビシッとした気持ちになります」と言うとおり、カメラの前に立つと繊細さを秘めた端正な顔がきゅっと引き締まる。

 昨年公開の「ふがいない僕は空を見た」で主婦と付き合う高校生を演じ、今月公開される「つやのよる」では、女にモテる軽薄な若者を演じている。出演作が引きもきらない、引っ張りだこの若手俳優である。

「うそをつきたくないし、インタビューのときでも、なるべく素の自分でいたい」

 演技にも自分自身にも真っすぐなのだ。さらなる飛躍を目指す今年について、慎重に言葉を選びつつ静かに語る。

「自分の中のフィルターのブランドを換えるというか、固定観念を壊していける年になればいいな」

週刊朝日 2013年1月18号