今、子育て世代の親は日本経済の環境悪化による「リストラ」「派遣切り」「内定取消し」などを目の当たりにした世代といってもいい。中には「リストラ」「派遣切り」を、身をもって体験した人もいるはずだ。

 そんな世代の親たちは、自分の子どもたちに将来どのような職業に就いてもらいたいと考えているのだろうか。

 通信教育・出版業のベネッセコーポレーションが、2005年4月2日以降に生まれた0~6歳の子どもを持つ会員を対象に、わが子の未来をどう思い描いているかを調査した結果がある(アンケート期間2011年9月/回答者数2284人)。

「もしおうちのかたが選べるとしたら、お子さまに将来どのような職業についてもらいたいと思いますか?(もっともあてはまるものを1つ)」との質問をしたところ、男の子に就いて欲しい職業として回答の多かったものは「公務員」(10.1%)、「医師」(9.1%)、「技術者・エンジニア」(7.5%)、「会社員」(5.3%)、「野球選手」(4.8%)。

 一方、女の子では、回答が多かったものから「薬剤師」(11.4%)、「看護師」(7.1%)、「医師」(7.1%)、「芸能人(俳優・モデル・タレント・声優など)」(4.4%)。「料理人・パティシエ」(4.1%)という結果になった。

 女の子に、医療関係の職業に就いてほしいと考える保護者が多いのは、女性でも高収入で安定した仕事についてもらいたいという願いだろうが、裏を返せば、結婚した相手の仕事が"いつどうなるかわからない"という今の経済環境を反映しているといえる。

 ちなみに、芸能関係の職業については、男の子では「芸能人(俳優・モデル・タレント・声優など)」が10位にランクインしていたのみ。女の子では4位の「芸能人(俳優・モデル・タレント・声優など)」のほか、「音楽家・歌手」が8位、「アナウンサー」が10位にランクインした。

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週刊朝日