野田佳彦首相(55)の再選が有力視されている民主党代表選。8月29日には参院議員約10人が集まり、「党がバラバラになる前に、代表選に出馬経験がある議員にもう一度出てもらって論争するべきだ」との意見で一致した。

「樽床伸二幹事長代行(53)や海江田万里元経済産業相(63)らの名前が挙がり、出馬を促そうということになった」(閣僚経験者)

 だが樽床氏は代表選で動ける状態ではない。大阪維新の会を率いる橋下徹大阪市長(43)と犬猿の仲で、橋下氏の「絶対落選させるリスト」の最上位に置かれているからだ。

 樽床氏は周辺に「維新は終わりだ」「橋下の勢いはなくなった」とまじないのように語っているが、足元に火がついている。

 他方、昨年の代表選で、1度目の投票ではトップだった海江田氏は、代表選について聞かれても「何も語らない」とのらりくらり。「普段は地元の盆踊りに顔を出し、趣味の漢詩作りをしているようです。国民の生活が第一の小沢一郎代表(70)という後ろ盾を失い、本気で推す人はいません」(民主党関係者)

 対抗馬の候補をズラッと並べてもドングリの背比べで、「決定力不足」は否めない。ドジョウ総理の再選はほぼ確実だが、代表選が盛り上がらなければ、党勢回復にはつながらない。首相支持派の議員からは、こんなぜいたくな嘆き節すら漏れてくる。

「反主流派には、対抗馬をどう一本化していくかという絵を描ける人が皆無。もっと殴りがいがある相手に出てきてほしい」

※週刊朝日 2012年9月14日号