「適応障害」と診断された雅子さまの療養生活も、あと半年ほどで丸9年。なかなか状況が改善されない中、ここにきて皇室ウオッチャーたちが注視する"事件"が起きた。皇室の医療を担当する医師の間で"戦い"が勃発したのだ。

 報道陣の面前で火花が散ったのは7月20日。小町恭士・東宮大夫が定例会見で、6月1日に退任したばかりの金沢一郎・前皇室医務主管について、こう語った。

「先日まで皇室医務主管であられた方が、妃殿下のご病状や治療方針、さらに対外的な説明について一方的な意見表明を行われたことは、妃殿下の治療への影響という観点から適切な配慮をしていただきたかった」

 異例とも言える批判の矛先は、「文藝春秋」8月号に掲載された金沢氏のインタビューだった。

 18年8カ月にわたり皇室の医療に携わった金沢氏はこの中で、自身の紹介で雅子さまの主治医となった大野裕医師(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長)について、

<大野先生に来ていただいたところまでは良かったのですが、少なくとも私が意図した方向で治療システムが構築されたとは、残念ながら思ってはおりません>

 などと指摘した。

 また、大野医師自身が雅子さまの主治医であることすら公表せず、病状の国民への説明も具体的でないことについて、

<お名前を出して国民に対してもう少し明確に説明してほしかった>

 と、驚くほど率直な批判を展開した。

 だが、当然ながら、記事を読んだ大野医師はこれに反発。何らかの説明をするよう東宮職に強く求めた結果、前出の東宮大夫会見につながったようだ。

※週刊朝日 2012年8月3日号