衆院36人、参院12人の"地侍"たちが。「小沢一郎」の旗を掲げ決起したものの、その先行きは混沌としている。

 今の小沢新党の不安定な立場を象徴するのが、国会の出撃拠点となる「控室」問題だ。7月4日に会派の届け出をした後、古巣の民主党などに「部屋のスペースを譲ってくれないか」と交渉したが、なかなか色よい返事が返ってこない。民主党関係者はこう冷笑する。

「最初は、2階の皇居側のいちばんいい部屋を寄こせと言ってきた。うちの幹事長室や、代議士会を開く部屋ですよ。ダメだと言ったら、次は本会議場にいちばん近い部屋を寄こせと言う。のめるわけがない。注目されて舞い上がるのもいいかげんにしてほしいですね」

 ちなみに各党が国会内に持てる控室の広さは、所属議員1人あたり5平方メートルが目安だ。衆院37人の小沢新党は185平方メートルとなる。

 12日に各党へのあいさつ回りをした小沢氏が自民党の谷垣禎一総裁(67)に、「なかなか分けてもらうのが容易じゃないんだ」とこぼすと、すかさず大島理森副総裁(65)が、「うちはダメです」とくぎを刺した。

 民主もダメなら自民もダメ。転校生が来たのに席がない、というのは「いじめ」以外の何ものでもない。

 結局、民主党が使っていなかった、人通りの少ない3階の部屋に落ち着いたが、「議員会館の会議室を使えばいいよ」と言いながら、連日漂流した"地侍"たちは、早くも小政党の悲哀を味わっている。 

※週刊朝日 2012年7月27日号