寡黙で内向的、社会の隅で孤独に生きる人間の役がこれほど似合う韓国スターもいない。最新映画「ただ、君だけ」でも、愛の表現に不器用な男を独特な陰影を出して演じている。

 本人も物静かなイメージだけど、今回は取材が始まるや「映画を見て泣きましたか?」と、逆にスタッフを質問攻めに。意外に快活なところも。

 でもやはり「人前に出るのは好きではない」そうで、役作りでは家に籠もり、自分なのか役の人物なのかわからなくなることもあるという。

「感情を持続させているとへとへとになります。この仕事、51%はすごくいいけど、残りの49%はすごく嫌なところもある。ストレスもたまりますね」

 で、その解消法は?

「お酒とかでは発散できません。新しい演技で解消するしかないです」

 人が思いもよらないことをしてみたいからとか。強烈な役者魂を感じさせる俳優になった。

週刊朝日

 2012年7月6日号