神奈川県相模原市の自宅前で6月3日に逮捕されて以来、取り調べが続く菊地直子容疑者。自分の正体を知りながら夫婦のように一緒に暮らしていた高橋寛人容疑者について、

「(寛人容疑者を)愛するようになり、この生活を変えたくなかった」

 と語り、潜伏していた部屋からはウエディングドレスとタキシード姿で撮った二人の写真が見つかるなど、その逃走劇はまるで"純愛ストーリー"のように報じられた。

 ところが、なんとここにきて驚きの説が浮上している。「実は、菊地はダマされていた」というのだ。警視庁の捜査関係者が、こう語る。

「どうも実態は、言われているような"純愛"ではないらしい。寛人容疑者にとって直子は 『言えばカネをくれる』という存在のようで、当局は、直子を食いものにしていたんじゃないかという印象を持っている。寛人容疑者が『結婚したい』と言っていたのも、本心かどうか。そんなにキレイな話じゃないんですよ」

 実際、よからぬ疑惑が持ち上がっている。

「週刊新潮」6月21日号は「『菊地直子』求愛男が『高橋克也』 をゆすっていた!」と題した記事を掲載した。二人が同棲を始めたころ、菊地容疑者の"正体"を知った寛人容疑者は、それまで菊地容疑者 が同居していた高橋克也容疑者宅にあった現金1700万円の約半分を盗み、2年ほど前には「お前、逃亡犯だろ。カネ出せ」と克也容疑者をゆすって300万円を"借金"したというのである。

 もし実際に現金を盗んでいたとしたら、立派な窃盗罪だ。そんなことがあり得るのか。先の警視庁関係者は、こう声を潜める。

「はっきりと供述しているわけではないが、当局がそう疑っているのは確か。300万円についても借りたのか脅し取ったのか微妙なライン。ただ、地下鉄サリン事件などの捜査が本筋なので、スポットは当たっていない。菊池容疑者が寛人容疑者の"本心"を知ったら、ショックでしょうね」

 どうにもキナ臭い話なのは確かなようだ。

※週刊朝日 2012年6月29日号