被災地ボランティアの主婦 横浜の自宅を猫用シェルターに

2012/05/16 07:00

 東日本大震災は多くの人の人生を変えた。動物好きの専業主婦、大網直子さん(45)もその一人だ。震災後、福島県の警戒区域に50回以上通い、約180匹の犬や猫を保護してきた。
「もともと近所の捨て犬や猫を保護するボランティアをしていました。昨年の大震災のときも、警戒区域内のペットが気になり、ツイッターで情報を探し始めたのがすべての始まりです」(大網さん)
 そのとき目に留まったのが、ジャーナリスト・山路徹さんのツイートだった。「飼い主が避難した後、犬たちは街を徘徊しています」。現地の状況が刻々と報告されていた。昨年3月末、「何かお手伝いできますか」とメールすると、すぐに返信があった。そしてその6時間後、福島県へ向かうことに。
「私はあくまで大きなチームの『お手伝い』のつもりでした。でも、都内の集合場所に到着すると、そこにいるのは山路さんを入れて3人だけ。『専門家の方が来てくれました!』と山路さんにツイートされ、あれ、もしかしてそれって私?とびっくりしたんですよ(笑い)」
 大網さん以外は犬猫の知識がないジャーナリストやボランティアだった。それなら自分がやるしかない。福島に通う日々が始まった。
 震災直後は、犬も猫もすぐ保護できたが、預け先が圧倒的に不足していた。大網さんは保護した犬猫を何匹か自宅で引き取ったが、すぐ手狭に。ちょうどその頃、引っ越しを予定していたため、それまで住んでいた横浜市の家を猫用のシェルターにした。今では「おーあみ避難所」と呼ばれ、自宅では30匹の犬と猫、シェルターでは40匹以上の猫を世話している。
「行政は、飼い主がいるという理由で里親探しをしないことが多いんです。また、白血病など病気持ちの猫は里親が見つかりにくい。終わりが見えません」
 大網さんの奮闘はまだ続く。

※週刊朝日 2012年5月25日号

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