衆院の選挙制度改革 「連用制」導入のリミットは残り1年半 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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衆院の選挙制度改革 「連用制」導入のリミットは残り1年半

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 難航する衆院の選挙制度改革。比例代表に重点を置き、中小政党に有利となる小選挙区比例代表「連用制」の導入が焦点になってきた。公明党が推奨するこの制度に、民主党が柔軟な姿勢を示し始めたからだ。これが実現すれば永田町の権力地図は激変する。

 昨年3月、最高裁は「一票の格差」が最大2.30倍になった2009年衆院選を「違憲状態」と判断した。そこから衆院の選挙制度改革論議が約20年ぶりに巻き起こったが、むろん一筋縄ではいかない。

 今回の改革は「一票の格差」是正と同時に、議員定数の削減も目指している。自民党は「格差是正を優先すべきだ」と主張。消費増税の実現へ向け、議員定数削減で「身を切る姿勢」をアピールしたい民主党は、すでに比例区で定数を80減らす案をまとめている。

 連用制の最大の特徴は、小選挙区での当選者が少ない中小政党に、比例区の議席が多く配分される点だ。

 次の総選挙で政権奪回を目指す自民党は、この連用制案に猛反発。細田博之元幹事長は2月1日の各党協議会で「比例選挙における投票結果を不当にゆがめる」など9項目にわたる問題点を列挙した紙を配布し、「小選挙区で勝ち、比例の当選者がゼロになるような制度は憲法上問題がある」と記者団に訴えた。

 しかし、制度を考案した内閣官房参与の成田憲彦窶「駿河台大学教授は、こうした指摘に真っ向から反論する。

「選挙区で勝った党に比例の議席が来ないのは、すでに十分な議席を得ているからです。小選挙区の得票率と獲得議席数のゆがみを比例区で正し、多様な民意を反映させるのが連用制の趣旨。それが一票の投票価値に反するというのであれば、得票率51%で当選、49%で落選となる小選挙区のほうが、はるかに投票価値の不平等が大きい」

 たしかに、本誌の試算でも、現行制度より連用制のほうが、各政党の得票率に見合った議席数(完全比例代表制)にグッと近づく。

 成田氏が続ける。

「今の日本に必要なのは2大政党による対立の政治ではありません。3縲鰀5党による穏健な多党制できちんと調整しながら、世界といかに戦うかを考えなければならない。そうした政治を実現する道として、連用制は大きな選択肢になる」
 
 ただ、衆議院の任期満了まで1年半しかない、制度改正までに残された時間は限られている。


※週刊朝日 2012年3月2日号


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