だれも知らない「韓国最強企業」伝説 (1/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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だれも知らない「韓国最強企業」伝説

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 1992年のバルセロナ・オリンピックは、韓国の陸上界にとって記念すべき大会でした。男子マラソンで黄永祚(ファンヨンジョ)選手が日本の森下広一選手との一騎打ちを制したのです。

 黄選手が取った戦略は、とにかく森下選手についていくことでした。ほかのランナーたちが徐々に脱落し、35キロ地点で、体力を温存していた2人が残った。そして「モンジュイックの丘」を上っているとき、黄選手は森下選手の息が荒いことに気づき、丘を駆け下りるとスパートしたのです。

 実はこの「モンジュイック戦略」は、いまの日本企業と韓国企業の関係に置き換えることができます。

 かつて、サムスン電子の「先生」は三洋電機とNECでした。現代自動車は三菱自動車、鉄鋼大手のポスコは新日鉄に指導を仰ぎました。日本を徹底的にベンチマークし、追随するなかで力を蓄え、決定的瞬間にすっと前へ出て、運をつかみとる。そして韓国企業は、モンジュイックの丘を下っていったのです。

 いまや韓国企業は「日本モデル」と決別しようとしています。終身雇用や年功序列といった日本企業の特徴をかなぐり捨て、グローバル・スタンダードへと大きく舵を切ったのです。

 97年の経済危機をきっかけに、韓国はグローバル化を余儀なくされました。時を同じくして、IT産業を中心にアメリカの経済が復活し、アナログからデジタル時代へのシフトが起きました。それが幸運にも、アナログ時代にはありえなかった逆転を生み、韓国企業が日本企業より先んじることを可能にしたのです。

 私はお酒を飲みませんが、日本酒だけは例外です。私のようにまったく酒を知らない人間でも、日本酒は本当においしい。料理もそうです。先日、日本料理店で刺し身を食べたとき、店の主人が言いました。

 「どの角度で包丁を入れるかによって、刺し身の味がまったく違うんですよ」


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