メイン画像
メイン画像

このあと、冬型の気圧配置が強まり、北陸の上空に強い寒気が流れ込む見込みです。特に23日(金)は、前回よりもさらに強い寒気が流れ込み、狭い範囲に集中的な大雪をもたらす「JPCZ」が北陸地方へ向かうでしょう。北陸地方では平地でも大雪となり、JPCZによる発達した雪雲がかかる所は短時間に一気に積雪が増し、前回同様、車の立ち往生や停電の発生するおそれがあります。

北陸の上空に平地で大雪となる目安の寒気が流入

画像A
画像A

日本付近は西から西高東低の冬型の気圧配置に変わってきています。この後、上空の強い寒気が西廻りで北陸地方に流れ込み、今夜遅くには平地を含めて広い範囲で雪に変わるでしょう。上空の寒気のピークは23日(金)となり、平地でも大雪となる目安の上空5500メートル付近で氷点下36度以下の寒気が北陸地方に流れ込む見込みです。日本海の海面水温は平年より高い状態が続いているため、大気の状態が非常に不安定となり、雪雲が発達しやすいでしょう。23日(金)を中心に平地でも降雪量が多くなり、大雪となるおそれがあります。

「JPCZ」が北陸地方を指向 狭い範囲での短期間集中豪雪に要警戒

画像B
画像B

加えて23日(金)は、明瞭な「JPCZ」が形成され、北陸地方へ向かうでしょう。先日の大雪ではこの「JPCZ」が新潟県にかかり、狭い範囲に記録的な大雪をもたらしました。新潟県の長岡市や柏崎市では車の立ち往生が発生し、停電も広範囲で発生しました。今回も同様に、JPCZがかかる地域では短時間に強い雪が降り、積雪が一気に増えるでしょう。また、今回は上空の寒気が強いため、JPCZがかかる地域以外でも局地的に風と風のぶつかる所では降雪量が多くなる恐れがあり、石川県の沿岸部や富山県西部などは特に注意が必要です。

現段階の予想では、23日(金)の日中はJPCZが新潟県を南下し、その後、23日(金)夜には北陸西部(富山・石川・福井)を南下するでしょう。ただ、JPCZの通過タイミングの予想にはばらつきがあります。最新の情報を常に確認するようにしてください。

予想降雪量 平地でも50センチ超え、石川県の山間部で100センチ予想も

画像C
画像C

北陸地方では平地を含めて広く大雪となるおそれがあります。これから23日(金)18 時までの予想降雪量は、福井県の嶺北で60センチなど、平地でも大雪となる見込みで、石川県加賀地方の山間部では100センチとなっています。23日(金)18時~24日(土)18時までの予想降雪量は、富山県など平地でも50センチに達する所があり、山間部では多い所80センチの見込みです。

今回は特にJPCZなどによる局地的な短時間の積雪急増に警戒が必要で、JPCZの動向によっては予想より降雪量が多くなるおそれもあります。短時間に一気に積雪が増えることによる車両の立ち往生、鉄道の運休など、大規模な交通障害に十分注意してください。また、湿った雪が大量に降ることによる電線への着雪や倒木・停電などにも注意が必要です。

車の立ち往生に注意 一酸化炭素中毒に細心の注意を

画像D
画像D

先日の大雪では新潟県の柏崎市や長岡市で大規模な車両の立ち往生が発生しました。今回もJPCZによる短時間の強い雪が予想されるため、車両の立ち往生が発生するリスクがあります。

立ち往生に備えて冬用タイヤでもチェーンの携行、スコップ・牽引用のロープを持参しましょう。毛布やカイロなど暖の取れるもの、食料なども持参することも大切です。

万一立ち往生してしまった場合は、マフラーの排気口が雪で埋まらないように、こまめに除雪することが大切です。特に、短時間に強い雪が降っている場合は要注意。排気口がふさがると、車内に排気ガスが流れ込んで一酸化炭素中毒になるおそれがあります。

湿った雪による停電にも注意

今回の寒気は、上空の高い所(5500メートル付近)では非常に強い一方、地上に比較的近い所(上空1500メートル以下)ではあまり強くないという特徴があります。このため、平地では水分を多く含む湿った重い雪となります。

湿った雪が大量に積もると着雪による電線の切断により、停電が発生するリスクが高まります。停電が発生した場合は、オール電化の家庭を中心に暖が取れなくなる恐れがあります。ストーブがない家庭では、カイロや毛布・布団など、なるべく暖の取れそうなものを準備しておく必要があるでしょう。
夜間に停電が発生した場合は、明かりの確保が必要です。懐中電灯やヘッドライトを一人一つは最低でも用意しておきましょう。ろうそくやランタンがあれば便利でしょう。
停電時はテレビが見られず、スマートフォンなども繋がりにくくなり、情報が入りにくくなります。ラジオがあれば非常に重宝するでしょう。電池式のスマートフォン充電器も重宝します。