気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。2017年2月の時点では、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない状態が続いています。春から夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性もありますが、平常の状態が続く可能性の方がより高くなっています。

2月の実況:エルニーニョもラニーニャも発生していない

2017年2月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.5度で、基準値より高い値でした(1月より0.5度高い)。
大気と海洋の状態にはエルニーニョ、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭ではなく、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いています。

今後の見通し

今後春から夏にかけては、エルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値に近い値か基準値より高い値で推移する予想です。春から夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性は40%。ただ、平常の状態が続く可能性の方が60%と、より高くなっています。
※エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象。ラニーニャ現象は、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象。
【定義】
気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の 基準値との差の 5か月移動平均値が6か月以上続けて +0.5℃以上となった場合を「エルニーニョ現象」、−0.5℃以下となった場合を「ラニーニャ現象」と定義しています。