雨の日に使ったレインコートは、濡れているだけでなく、意外と汚れが付着しています。

濡れたまま放っておくと、レインコートの機能性が失われたり、カビや嫌なにおいが発生したりする原因になりますので、使用後のレインコートは正しい方法でお手入れしましょう。

今回は、レインコートを自宅の洗濯機で洗えるのか、正しい保管方法について解説します。

レインコートは洗濯機で洗える?

レインコートを自宅にある洗濯機で洗えるかどうかは、製品によって異なります。そのため、初めてレインコートを洗濯する際は、必ずタグに印字されている洗濯表示を確認してください。[注1]

洗い桶のマークに数字やアンダーラインが入っている場合は、家庭用洗濯機で洗うことが可能です。数字は洗濯水の温度の上限を示していますので、数字を超えた温水で洗わないよう注意しましょう。

一方、アンダーラインは水流の強さに注意が必要なことを示しています。1本線は通常よりも弱め、2本線は1本線よりもさらに弱めの力で洗濯することが推奨されていますので、ソフトコースや手洗いコースなどの弱水流モードで洗うようにしましょう。

洗い桶に手のマークが入っているものは「手洗い可」の意味ですので、洗濯機を使わず、手作業で洗います。洗い桶に×マークが入っている場合は、自宅で洗濯することができません。クリーニング店に依頼し、プロにお手入れしてもらいましょう。

[注1]消費者庁:家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規定の改正について

レインコートの正しい洗い方

レインコートの正しい洗い方を、洗濯機と手洗いの2パターンに分けて説明します。

■レインコートを洗濯機で洗う方法
レインコートを家庭用洗濯機で洗う場合の基本的な手順は以下のとおりです。

1.目立つ汚れは下洗いする
2.洗濯ネットに入れる
3.洗濯表示に合わせてコースを選択する
4.タオルで水気を拭き取る
5.陰干しする

レインコートの表面に目立つ汚れがついているときは、事前に下洗いをしておきます。汚れた部分に、適量の水で溶かした洗剤をつけて、しばらく放置して汚れを浮かせましょう。

下洗いを終えたら、レインコートを軽く畳んで洗濯ネットに入れます。そのまま洗濯機に入れると、摩擦で撥水加工が剥がれてしまうことがあるので注意してください。

洗濯コースは洗濯表示に合わせて設定します。アンダーラインのあるものはソフトコースやドライコース、手洗いコースなどの弱水流コースを選びましょう。[注1]

洗濯が終わったら、脱水にはかけず、洗濯機からレインコートを取り出します。レインコートは通水性が低く、水が抜けにくいので、洗濯機の脱水機能が過剰に働くおそれがあるためです。

また、レインコートの生地を傷める原因になるのはもちろん、洗濯機自身のトラブルにもつながるリスクがありますので、脱水機能は使わないようにしましょう。

洗濯機から取り出したレインコートは、大判のタオルなどに挟み、上から優しく押さえて水気を拭き取ります。その後、ハンガーなどにかけて、直射日光の当たらない場所で陰干ししましょう。

日光に当たると紫外線の影響で撥水加工が劣化したり、退色が起こったりするので要注意です。

■レインコートを手洗いする方法
レインコートを手洗いする場合は、洗い桶にぬるま湯を張り、適量の洗剤を溶かします。目立つ汚れがある場合は、洗濯機の場合と同じように下洗いをしてから手洗いの工程に進みましょう。

レインコートを洗い桶に静かに浸したら、上から押すように洗う押し洗いをするか、あるいはレインコートを左右に振って洗う振り洗いを行います。

その後、洗い桶の水を何度か取り替え、泡が出なくなるまでよくすすいだら、タオルドライで水気を拭き取って陰干しします。

レインコートの正しい保管方法

洗濯を終えたレインコートを保管する際に押さえておきたいポイントを4つ紹介します。

■1. ハンガーにかけて保管する
レインコートを畳んで保管すると、畳みじわがついた部分から生地の劣化が進みやすくなります。レインコートを保管する際は、ハンガーなどにかけ、しわが寄らない状態をキープするようにしましょう。

■2. 日の当たらない場所に保管する
レインコートは紫外線に弱いので、直射日光の当たらない場所に保管しましょう。具体的には、クローゼットの中に入れるか、あるいは衣類カバーをかけて保管するのがベストです。

■3. 保管する前に撥水スプレーをかける
洗濯を終えたら、クローゼットにしまう前にレインコート全体に撥水スプレーを吹きかけておきましょう。レインコートにはもともと撥水加工が施されていますが、使用するごとにその効果は弱くなります。

上から撥水スプレーを吹きかけておけば、撥水機能をより長持ちさせることができます。

■4. カビに注意する
レインコートを濡れたまま放置したり、高温多湿の環境で保管したりすると、カビが生えることがあります。一度カビが生えてしまうときれいに落とすのは難しいので、レインコートを保管する際は、表面が濡れていないかよく確認しましょう。

また、クローゼット内に除湿剤を設置するなど、湿気対策を行うことも大切です。

レインコートを自宅で洗濯するときは正しい方法をマスターしよう

洗濯表示に「洗濯可」「手洗い可」のマークがあるレインコートは、自宅で洗濯することが可能です。洗濯機を使う場合は洗濯ネットに入れ、洗濯表示に合わせたコースで洗うようにしましょう。[注1]

脱水にかけるとトラブルのもとになりますので、水気はタオルで拭き取るのが基本です。

手洗いする場合は、洗い桶の中で押し洗いまたは振り洗いをし、丁寧にすすいでから水気を切ります。洗濯し終えたら、直射日光が当たらない場所で陰干しし、しっかり乾かしてからクローゼットなどに保管しましょう。

濡れたまま放置すると、撥水機能が低下したり、カビが生えたりする原因になりますので要注意です。

レインコートを外干しするか部屋干しするかで悩んだときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「洗濯指数」をチェックしてみましょう。エリア別に洗濯物の乾きやすさがわかりやすく表示されているので、外に干すべきか、室内に干すべきか、一目で判断できます。

洗濯指数は毎日、10日先まで公開されていますので、レインコートを洗濯するときはぜひご利用ください。