冬期は雪などの影響で交通事故の発生リスクが高くなる傾向にあります。そのため、天気や路面状況によっては冬用タイヤ規制がかかるところもあります。

タイヤ規制が行われている場合、一定の要件を満たさないと高速道路を通行できなくなってしまいますので、あらかじめ注意が必要です。

今回は、高速道路の冬用タイヤ規制の概要や、走行中にタイヤ規制を知った場合の対応について解説します。

高速道路の冬用タイヤ規制とは?

高速道路の冬用タイヤ規制とは、高速道路を走行するにあたり、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤまたはチェーンの装着を義務づける規制のことです。

冬用タイヤ規制が行われている場合、冬用タイヤまたはタイヤチェーンを装着しているかどうかは目視で確認され、要件を満たしていない車は通行不可となります。

■冬用タイヤ規制とチェーン規制の違い
冬用タイヤ規制と似た規制に、チェーン規制というものがあります。

冬用タイヤ規制の場合、全車輪への冬用タイヤの装着または駆動輪(一部の県では全車輪)へのチェーンの装着が必要となりますが、チェーン規制は全車輪または駆動輪へのチェーン装着が必須となります。

チェーン規制の場合、冬用タイヤを装着していても通行不可となりますので要注意です。

■冬用タイヤ規制と速度規制の違い
速度規制は走行速度を50~80kmに制限する規制のことです。路面状況が悪化したり、視界不良と判断されたりしたときは、速度規制がかかることがあります。

速度規制のみの場合は、冬用タイヤやチェーンの装着は義務ではありませんが、タイヤ規制やチェーン規制がかかっている場合は同時に速度規制がかかっている場合がほとんどです。

また、雪氷作業者が除雪作業を行っている場合も、安全のために速度規制がかかることがあります。

■冬用タイヤ規制と通行止めの違い
大雪などの影響で高速道路の走行に支障があると判断された場合、高速道路そのものが通行止めになることがあります。
通行止めになった場合、たとえ冬用タイヤやチェーンを装着していても通行することはできません。

■冬用タイヤ規制の有無の確認方法
冬用タイヤ規制の有無は高速道路によって異なります。規制情報はラジオやテレビ、インターネットなどの道路交通情報や、道路情報板で確認することが可能です。

走行中に冬用タイヤ規制を知った場合の対応

冬用タイヤ規制は、NEXCOが管轄の警察署などの関係各署と協議を行い、必要性を考慮した上で、区間ごとに実施される決まりになっています。

そのため、高速道路を走行している間に、冬用タイヤ規制が発令されるケースも少なくありません。

もし冬用タイヤ規制が出たことを走行中に知り、かつ冬用タイヤやチェーンを装着していない場合は、最寄りのインターチェンジで高速道路から降りなければなりません。

ただし、チェーンを携行していれば、サービスエリアやパーキングエリア、チェーン着脱場などに立ち寄り、チェーンを装着することで引き続き高速道路を走行することが可能になります。

冬用タイヤ規制はいつ発令されるかわかりませんので、雪が降りそうな場合や、路面が凍結するリスクがある場合は、あらかじめチェーンを携行して出かけるようにしましょう。

冬に高速道路を走るなら事前に雪の情報をチェックしておくことも大切

雪が降るタイミングや、降る量は地域や日によって大きく異なります。

準備のないまま高速道路を走行しようとすると、冬用タイヤ規制に引っかかってしまい、通行そのものが不可になってしまうおそれがあります。

そのため、冬に高速道路を走る場合は、あらかじめ通行予定の高速道路における雪の情報をチェックしておくと安心です。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、降雪を含む気象影響リスクのある道路区間の情報を掲載する「道路の気象影響予測情報」をWeb上で公開しています。

気象影響リスクのある道路区間は、リスクの高さごとに紫(非常に高い)、赤(高い)、黄(リスクあり)の3つのアイコンで区分されていますので、通行予定の道路区間のリスクの有無、およびリスクの高さをしっかり確認しておきましょう。

気象影響リスクのある高速道路を走行する場合は、チェーンを携行した上で、いつもよりも安全運転に留意することが大切です。

冬の高速道路はタイヤ規制が入ることがあるので要注意

高速道路では、安全に車が走行できるよう、天気や路面状況に応じて冬タイヤ規制が出される場合があります。

冬タイヤ規制が出されると、全車輪への冬用タイヤの装着または駆動輪(一部地域では全車輪)へのチェーンの装着が義務づけられ、要件を満たさない車は通行することができません。

冬用タイヤ規制はいつ、どこで出されるかわかりませんので、事前に雪や道路状況の情報を確認しておくことをおすすめします。