みなさんは、大切なものを守るときに何を使いますか?家族を守るための家や、財産を守るための金庫には、必ず『鍵』がついていますよね。私たちの生活に欠かせないものとなっている鍵の歴史は古く、紀元前2000年のエジプトで発明されたと言われています。
今回は、鍵の歴史と逸話をご紹介します。

この記事の写真をすべて見る

世界最古の鍵の仕組みって?

鍵のはじまりは、紀元前2000年のエジプトで発明された「エジプト錠」と言われています。このエジプト錠は、今のピンシリンダー錠と原理は同じです。閂(かんぬき)に開けた数個の穴にピンを抜き差しすることで、開閉する仕組みになっています。エジプト錠は、外側から見ただけでは開け方がわからない、高度なつくりとなっていたそうです。エジプト錠が発明された時、なんと日本は縄文時代。そんな昔から鍵の歴史は始まっていたんですね。
古代ローマ時代になると、現在のウォード錠のもととなるものが発明されます。このウォード錠は、差し込んだ鍵を回して開閉するもので、現在私たちが最もよく目にする形のものです。この時代のローマには鍵の専門店まであったようで、鍵が人々の生活に定着していたことが伺えます。
このように、古くから人々の生活を守ってきた鍵ですが、ヨーロッパでは富と権力の象徴ともされていたそうです。そのため、当時の権力者たちは錠前にきれいな模様を刻み、その美しさを競っていたんだとか。鍵は実用面だけではなく、権力者の力を示すものとしても使われていたんですね。

日本で鍵が普及したのはいつ?

日本最古の鍵は、大阪府羽曳野市の野々上遺跡から見つかった海老錠と呼ばれるものです。この海老錠は、飛鳥時代に中国から伝わったとされています。しかし、海老錠は権力者が自分の財産を守るために使っていたもので、一般の人々には馴染みのないものでした。
鍵が世間に広がり始めたのは、江戸時代に入ってからのこと。江戸時代になると、武士や商人が財産を持つようになり、それを守るための蔵の鍵が必要になりました。そこで、戦乱の時代が終わることで仕事が減ってしまった鍛冶職人たちが、豪華な装飾が施された和錠や、複雑な仕組みを持ったからくり錠をつくるようになったのです。
鍵が日本で普及し始めたのは、案外最近のことだったんですね。

あなたの家は大丈夫?「我が家のカギを見直すロックの日」

このように、鍵の歴史は古く、今でもその技術は進化し続けています。
実は、今日6月9日は「我が家のカギを見直すロックの日」。(日本ロックセキュリティ協同組合:https://www.jalose.org/)自分自身や身の回りの物を守るために、自分の家や金庫の鍵に不具合が生じていないかなど、セキュリティの見直しをしてみてはいかがでしょうか。

<参考・参照>
鍵のレスキュー
カギ110番
有限会社鍵のオオサワ
ALSOK:https://www.alsok.co.jp/person/keystory/03/