雨の日も風の日もどんな天気のときでも、私たちの生活を支えてくれている「電波」。目には見えませんが、私たちを取り巻く空間を電磁波が飛び交っているのですから不思議ですよね。実は6月1日は「電波の日」に制定されています。1950年6月1日に電波法、放送法、電波監理委員会設置法が施行されたことを記念して総務省が制定。テレビやラジオ、インターネットなど、電波がない生活はいまや考えられませんが、今回は「電波の日」にちなんで携帯電話の歴史に迫ります。

ガラケーからスマホへ急速な進化
ガラケーからスマホへ急速な進化

まるでハンドバッグ!? 元祖携帯電話

携帯電波の始まりは今から33年前、1985年に登場した「ショルダーフォン」と呼ばれるものでした。その名のとおり、当時の携帯電話はハンドバッグのように肩に掛けて持ち運ぶもの。その重さはなんと2.5kgほどあったというから驚きですね。
そこから改良が行われ、約900gほどになったといいますが、それでもかなりの大きさ! 携帯電話といってもこれでは持ち運びするにはかさばりますね。さらには、高い通話料はもちろんのこと、基本使用料が2万円超の高額だったことからも普及にはハードルが高かったといえます。当時は、お金持ちの象徴にもなっていました。

昔はポケットベルで相手を呼び出し
昔はポケットベルで相手を呼び出し

着メロ、写メ……、携帯電話の普及

1990年代に入ると、携帯電話は急速に進化します。2.5kgほどのものが、なんと230gにまで軽量化。たとえるなら生まれたての赤ちゃんの重さが、りんご1個(小玉)ほどに軽くなった進化ぶりといえます。
さらには、さまざまな機能が付加されたことで、一気に携帯電話は私たちの日常にとけこんだアイテムへ! 懐かしいところでは「着メロ」と呼ばれた着信メロディが大流行し、カメラ機能が搭載されたのもこのころです。
現在は、電話ではなくメールで済ませてしまう若い世代も増えているようですが、考えてみれば携帯電話のその名の通り、もともとの主たる機能は「電話」だったわけです。
そうした中、1998年に「ショートメールサービス」が登場。これは携帯電話の歴史の上でも画期的な出来事で、コミュニケーションの有り様が大きく変化したことももちろん、ショートメールサービスの登場によって一世を風靡したポケットベルの台数もまたたく間に減少することになります。
40代後半以上の方であれば、若い時に「0840(おはよう)」「0833(おやすみ)」「0906 (遅れる)」「999(サンキュー)」「114106 ( 愛してる)」などの数字メッセージを、彼氏や彼女にポケットベルで送りあった方も多いことでしょう。懐かしいですね。

さまざまな機能を搭載した携帯電話
さまざまな機能を搭載した携帯電話

生活を変えたスマートフォンの誕生

軽量化、多機能化が進み、携帯電話の進化も今後これ以上はない……といわれた2000年代前半。しかし、さらに驚くべき進化を果たします。
それは、ご存じのとおりスマートフォンの誕生です。初代iPhoneが誕生したのは2007年のこと。画面に直接触れる「マルチタッチスクリーン」がスマートフォンの最大の特徴で、そのクリアな画面と使い勝手に私たちは驚かされると同時に、とてもワクワクしたものです。
スマートフォンの誕生は、生活スタイルに様々な変化をもたらします。例えば「固定電話を持たない」「パソコンを持たない」「リアル店舗に行かず、ネット上でショッピング」「銀行の店舗に行かず、口座を管理」「世界中の地図を即座に閲覧」「知りたいことをすぐに調べられる」……といった行動パターンの変化をはじめ、ソーシャルメディア利用と動画視聴の加速、新たな職業・YOUTUBER(ユーチューバー)の登場など、10年前にはなかった現象や事象が、いまや当たり前に……。
ありとあらゆる通信機能を備えたスマートフォンは、いまや生活になくてはならないものとなり、私たちの生活だけでなく産業そのものも一変させる大きな存在になりました。
── ショルダーフォンが登場してから33年。急速に進化・発展を遂げた携帯電話……。6月1日の「電波の日」に電波のありがたさ、携帯電話(スマホ)の便利さを、あらためて考えてみるよい機会かもしれませんね。