飼い主の終活「ペット信託」とは?

2018/03/29 16:30

空気が凍てつく冬は朝晩のペットとの散歩もつらいものですが、ようやく散歩を楽しめる季節がやってきました。 むかし、犬は番犬として、猫はネズミの天敵として飼われていましたが、現在多くの人は精神的な安らぎと癒しをあたえてくれるペットを、わが子のように家族の一員として大切にしています。 そんなかけがえのない存在であるペットとも、いつかはお別れの時がきます。あまり考えたくはありませんが、飼い主に万が一のことがあった時、残されたペットの将来を心配したことはありませんか? そんな時のために知っておきたい「ペットのための信託」について、本日はご紹介します。

「万が一」のための備えはしていますか?
「万が一」のための備えはしていますか?
ペットは生きがいになるけれど、いつかはお別れがくるもの ペットと暮らす……、それは同時に、お別れの時がいつか必ずくることでもあります。 わが子である愛犬や愛猫との別れは本当につらいもので「こんなに悲しい思いをするなら、もう二度と飼わない!」と誰もが一度は思うもの。そして、犬猫を失ってぽっかり空いてしまった心の穴は、再び犬猫を迎えることでしか埋められない……。そうした感情は経験した人になら理解できることですよね。 さらに、高齢者が飼い主の場合「高齢だから、新しい犬猫をもう飼うことはできない」とあきらめている方も多いはず。もし先に飼い主が亡くなってしまった時、残された犬猫を引き取ってくれる家族や親戚がいる場合は安心ですが、託せる人がいない場合も多いからです。 でも、犬の散歩で外に出れば運動にもなりますし、道で初めて出会った人と会話をする機会や、顔見知りの人が増えるなど、家に閉じこもりがちな高齢者にとってはよいことばかり。例えば、体力的に犬の散歩を毎日続けることが難しい人であっても、猫であればその心配はいりませんね。 なにより、犬や猫と触れ合うことで心身の健康につながる点に加えて、「この子の世話をしなければ!」と生活にも張りが出るという大きなメリットも期待できます。
人もペットも高齢化しています
人もペットも高齢化しています
飼い主が世話をできなくなった時の「ペット信託」とは 「終活」の一環に「遺言書を書く」ことがあります。遺言書を遺す目的には「自分の思いを正確に伝えるため」「死後に家族等に迷惑をかけないため」といったことがあげられますが、それは家族や親戚など「人」に対するもの。もちろん、生命保険も含めてペットに財産を遺すことはできません。ご存じの通り、ペットは法律上において「物」なのです。 仮に、財産を贈与するかわりにペットの世話を頼むという形で遺言書を遺しても、お金だけ受け取ってペットの世話をしないようでは困ってしまいます。 そうしたリスク(心配)を軽減するために「信託」という方法があるのです。これは文字通り、「信じて託せる」相手に財産を管理してもらうもので、財産の中から遺しておきたいペットにかかる費用を信託財産にすると、相続財産とは分離される仕組みになっています。
愛するペットの将来もしっかり考えてあげましょう!
愛するペットの将来もしっかり考えてあげましょう!
「ペット信託」を考える際に大切なこと 遺言は「亡くなってから」の話ですが、信託の大きな特徴は「生きていても」「亡くなった後も」利用できる点があります。 たとえば不慮の事故、大病の発症、長期入院、老人ホーム等の施設に入居……などの事態に陥った際、飼い主が生きているにもかかわらず、ペットの世話がかなわなくなった場合に契約を開始できるのが「信託」なのです。 こうした「万が一」の場合は高齢者に限らず、若い人などにもある日突然訪れることが想定されますので、家族である大切なペットが行き場を失わないよう、あらかじめ考えておくことが大切といえるでしょう。 さらに「ペット信託」で大切なことは、飼い主が世話をできなくなった時、 ●里親を探すのか ●ボランティア団体など保護施設を探すのか ●ペットを託す人を誰にするのか……という問題です。 個人にお願いする場合には、信頼できる人にお願いすることに他なりませんが、心配であれば、その人がきちんとそのお金をペットのために使っているかを監視する「信託監督人」を任意でおくこともできます。「信託監督人」は、ペット信託契約を作成する弁護士や行政書士、司法書士などが就任し、飼い主の「想い」がかなえられているか、第三者として見守りチェックをしてもらうことができます。 ── 犬や猫をはじめペットとのお別れはとてもとてもつらいですが、ペットが天寿を全うするまで見送れることはある意味幸せなことといえるでしょう。愛おしい子を残して飼い主が先に旅立つことのほうが、もっとつらく苦しいことかもしれません。 万が一の時のために「ペット信託」について興味がある人は、ペット信託に詳しい弁護士や行政書士、ペット信託専門業者などに相談するのもよいでしょうし、まだそこまでは……という人も飼い主の責任として一度ペットの将来について考えてみてはいかがでしょうか。 準備をしておくことで、より充実したペットとの生活を送ってくださいね!

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