雪でも車は走り、家の中は暖かく、水道管は凍らない。北国の暮らしは「寒冷地仕様」!! 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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雪でも車は走り、家の中は暖かく、水道管は凍らない。北国の暮らしは「寒冷地仕様」!!

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雪が降っても道路が凍っても普通に通勤

雪が降っても道路が凍っても普通に通勤

4WD車で冬タイヤを履き、雪道でもドライブ

4WD車で冬タイヤを履き、雪道でもドライブ

外は氷点下でも、家の中は暖かい

外は氷点下でも、家の中は暖かい

長靴を履いて、ソリに荷物を乗せて買い物から帰る

長靴を履いて、ソリに荷物を乗せて買い物から帰る

水道管の凍結を防ぐために専用のヒーターを設置。

水道管の凍結を防ぐために専用のヒーターを設置。

今年の冬は東京でも雪が積もり、坂を上れない車や、転ぶ人々、凍る水道管などなど、雪で混乱する都会の様子が連日ニュースで流れていました。そのたびに北国に住む人々は、雪に慣れていない人たちの様子を不思議そうに見ている、という構図は恒例となっています。
では、雪に慣れている地方と雪に慣れていない地方では、何が違うというのでしょう。それは、北国では車や住宅や服装そのものが「寒冷地仕様」になっているという点です。寒くても生活に困らない寒冷地仕様とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

冬タイヤは必須!! 4WDで安定走行。バッテリーが大きく、車そのものが寒冷地仕様。

そもそも、雪が積もらない地方では、雪が降っても夏タイヤのままで走る車が多いので、坂を上れなかったり、滑ったり、埋まったりするのです。これは北国ではあり得ないことです。北国で、もしタイヤを冬用に履き替える前に雪が降ってしまったら、その日は車に乗るのをあきらめて、バスや電車を利用するでしょう。
また、雪が降る地方では、4WD(4輪駆動)の車が多いので、発進やブレーキもスムーズで、横すべりにも強く、ある程度の轍でも走行できます。FF(前輪駆動)で、しかも夏タイヤで雪道を走るという危険な行為をニュースで見るたびに、「夏タイヤで雪道を走るなんて、都会の人は勇気があるなあ」と思う北国の人も多いのではないでしょうか。
さらに、北海道などの寒冷地で販売される車ははじめから、氷点下20℃を下回っても不具合を起こさないように設計されています。バッテリーの容量が大きく、ワイパーを動かすモーターや暖房機能も強力です。また、ウォッシャー液は不凍液で、ワイパーは全体がゴムで覆われているので雪をかきとることが可能です。ドアミラーにヒーターが入っている車種もあるなど、車そのものが寒冷地に適したつくりになっているので、雪が積もってもスムーズに走行することができるのです。
ただ、今年の冬の降雪量は平年よりも大きく上回っています。このような時は、いくら寒冷地仕様の車であっても除雪が追いつかず、走行が難しくなります。大雪の場合はやはり、不要不急の車での外出は控えたほうがいいでしょう。

北海道は冬こそアイスが売れる!! 二重窓は当たり前、断熱材と床暖房で暖かい住宅。

ひと昔前の北国の住宅は、窓やベランダの引き戸のガラスが2枚で1組という構造が主流で、窓から入る冷気を防いでいました。これは、1つの窓枠に2枚のガラスをはめる二重窓ではなく、窓ガラスのレールが2組あって、それぞれのレールで窓ガラスがスライドする、という仕組みです。部屋から見て内側が曇りガラス、外側が透明ガラスのセットになっていて、内側の曇りガラスがレースのカーテンのような役割をします。ガラスとガラスの間が10cm以上空いているので、そのスペースに食品を置いて保存する家もありました。
現在の住宅は、窓は一見1枚のガラスに見えますが、二重窓が当たり前。中には三重窓もあり、窓から冷気が入らないようなつくりになっています。
また、北国の住宅は、床や壁、天井など、家全体が厚い断熱材で覆われています。断熱材は柱と柱を埋める内断熱と、外壁を覆う外断熱があり、両方で覆うダブル断熱で高機密な住宅もあります。少ない暖房費用でいかに家全体を暖かく保つかを目指し、北国の住宅の仕様は年々進化しています。
さらに、床暖房を施している家も多く、下から家全体がポカポカと暖められるので、北海道などの人は家の中では薄着で過ごします。ウールのセーターや厚ぼったいカーディガンを着ている人はあまり見かけません。また、こたつを使う家庭もあまりありません。中には裸足で過ごす人もいるとか。
北海道では特に、「お風呂上がりにはアイスを食べる」という図式が定番なので、冬になるとアイスがよく売れます。暖かい部屋の中でお風呂上がりに食べるアイスは格別で、温泉の休憩所でも子どもたちがアイスをほおばっている光景をよく見かけます。

冬にだけ履く靴と、雪がつかない軽いダウンコート。長靴も進化している。

雪が降らない地方だと、夏に履く靴と冬に履く靴は特に変わらないと思いますが、北国には「冬靴」という概念があり、冬は、暖かくて防水仕様、そして滑らない靴が必需品です。
最近は長靴もオシャレになっていて、特に女性用については、一見ブーツのように見えるシルエットのものも多くなっています。雪が深く積もった時や、雪解けで道路がグチャグチャな時は、ブーツに見える長靴が重宝します。
コートは表面がツルツルしたフードつきのダウンコートが主流です。ウールのダッフルコートなども暖かくて見た目もステキなのですが、雪の日はコートの表面に雪が積もるので、あまり機能的ではありません。その点、ダウンコートだと雪が降っても手でサッと払って雪を落とすことができ、しかも軽くて暖かいので、ほとんどの人が着ています。また、北国では雪が降っても傘をさす習慣がないので、雪が降ったらフードをかぶります。冬の天気は、晴れていたかと思うと吹雪になったりと、天気がよく変わるので、フードはとても便利です。

冷え込む時や留守にする時は、水道管の元栓を止めて“水抜き”をする。

北国の水道管には、凍結しないように断熱カバーや保温材などが巻かれています。それでも、最高気温が氷点下5℃を下回ると、水道管は簡単に凍りついてしまいます。そのため、凍結防止用のヒーターを設置しているところも少なくありません。
また、冷え込みが厳しい夜や、長期で家を空ける時は、用心のために水道管の元栓を締めてから、“水抜き(水落とし)”をします。なぜ水抜きをするかというと、たとえ元栓で水を止めたとしても、あちこちの管の中には水がたまっているので、それが凍ってしまうからです。元栓を止めたら蛇口を全開にして管の中の水を出し切ります。給湯器に残っている水の落とし方は各機器によって違うので、一度確かめてみるといいかもしれません。
今年の冬は気温が低く、雪の量も平年を大きく上回り、毎日の雪かき作業に辟易している人も多いのではないでしょうか。雪が多いと雪祭り会場やスキー場にとってはありがたいでしょうが、交通・流通の混乱や事故の多発など、市民生活には大きな影響を与えています。暦はもう、2月も中旬。早く春が来ないかと願うばかりです。


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