七十二候<雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)>。落雷の合間1分ですべきことは? 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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七十二候<雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)>。落雷の合間1分ですべきことは?

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暖かいので咲いてみたら、みぞれに降られてしまいました

暖かいので咲いてみたら、みぞれに降られてしまいました

てっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で4m以上離れてしゃがむ

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おヘソをとられないようにとは「前屈みでしゃがめ」という教えかも?

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すばやくお腹の中に避難させるべし♪

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雷が鳴りはじめる春となりました。北陸地方などにお住まいの方は「雷なんて冬の間も盛んに鳴ってましたけど?」と怪訝に思われることでしょう。じつは、冬の雷は北日本の日本海側・地域限定。季節がすすみ春一番が吹いて、全国規模で春の嵐が発生します。春が来たことを知らせる、春雷(しゅんらい)のとどろき。お花見のバーベキューを楽しんでいたら、急に雷雲が現れてどしゃ降りの雷雨になることも! どこに落ちるか予測できない、こわい雷。身を守るにはどんな行動をとればよいのでしょうか?

春の始まりを告げる春雷。雷神が両手に持っているものは…

春爛漫の日々の後、雪のちらつく寒い日に逆戻り…行ったり来たりするそんな春先の天気を「三寒四温」と呼んだりしますね。もともと中国東北部や朝鮮半島北部で冬の周期的な寒暖を表すのに使われていた言葉が、日本ではもっぱら春に使用されるようになったものといいます。
春は、冬の北風から夏の南風に入れ替わりの時期。そのため北風と南風が交互に吹いたりして、数日ごとに寒くなったり暖かくなったりするのですね。
「春雷」とは、立春以後に鳴る雷のこと。啓蟄の時期は「虫出しの雷」とも呼ばれ、大きな雷鳴が寝ぼけまなこの生きものたち(ヒト含む)を叩き起こします。中国大陸や東シナ海で発生した低気圧が対馬暖流の日本海に入ってきて、そこで北の寒気と南の暖気が激しくぶつかり合い急激に発達・成長する、春の嵐。強い風が特徴で、漁師さんにもたいへん恐れられています。
春雷は「春の到来を告げるめでたいもの」とされる一方、大気が不安定になり雪や雹(ひょう)をもたらすこともあるので、農家さんも手放しでは喜べないようです。
大和言葉では「神鳴り」。雷は神が鳴らすもの、と信じられていました。気象的には「雷とは雷電(雷鳴および電光)がある状態で、電光(稲妻)のみは含まない」とされています。つまり、音が無ければカミナリさまではないということ。雷神が太鼓を背負って描かれるのは、こんな理由からだったのですね(ちなみに両手に持っているのはもちろんダンベルではなく、バチ。牛の骨で作られているといわれています)。雷鳴は、雷が地面に落下したときの衝撃音ではなく、放電現象が発生したときに生じる音なのだそうです。放電の際に放たれる熱量によって、まわりの空気が急速に膨張し、音速を超えた時の衝撃波なのだとか。そんなに巨大なエネルギーによって春を告げに来るなんて!

お出かけ先では建物の中へ。低い姿勢で、頭より高くモノを持たないで!

さて、お出かけ先でもし天気が急変した場合、どう行動すればよいのでしょうか? 落ちる場所の予測が難しく、建物の中なら絶対安心とは言い切れないのが、雷の厄介なところ。それに、野外で雷雨にあうことは意外と多いものです。
避雷針が設置されている鉄筋コンクリート造りの建物の中に入るのが、もっとも安心。自動車・バス・列車などの中も安全です。雷鳴は、30分くらい待てば遠ざかっていきます。ただし、建物といってもキャンプに使うテントの中はたいへん危険。すぐに出て避難してください。
高さ5m以上30m以下の高い物体(建物、塔、煙突、クレーン等)があれば、てっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4m以上離れた場所で足を揃えてしゃがんでいれば、比較的安全です(イラスト参照)。また、二輪車からは2m以上離れるようにします。
山の頂上付近や、平野部で周囲に避難場所のない場合に落雷の危険を感じたら、窪地に入ったり、できるだけ身体を低くします。低めの木には絶対近づかないでください(雨宿りなんて、もってのほか)。ヒザを閉じて曲げ、腕でヒザを抱え込んで前かがみの姿勢をとりましょう。足を広げたり手をついたりしないで「一点接地」を。足の下にビニールか木の板片を敷くと、なおよいそうです。もっとも重要なのは、「自分の頭より高いところにモノを出さない」こと! カサをさすのはもちろん、歩いたりしゃがんだときにステッキやバット、釣り竿などが頭上に飛び出さないよう注意してください。また、歩いていると、両足間にかかる歩幅電圧(両足間の電位差)で感電する危険があります。

金属類をはずせば本当に安全!? 「合間の1分」ですばやく行動!!

雷が近づくと、「ピカッ(光)」と「ゴロゴロ(音)」の間隔がだんだん短くなってきます。30秒くらいになったら、すみやかに避難行動をとってください。
雷の接近を知るには、AMラジオも有効です。
雷からは幅広い周波数帯の電磁波が放射されているので、雷由来のノイズがAMラジオで受信できることもあるのです。もしラジオから「ガリッ、ガリッ」という音が聞こえてきたら、耳で雷鳴が聞こえなくても、安全な場所に避難するようにしましょう。近づくほど音の間隔が狭まってきます。とりわけ小さな子や高齢者など移動に時間がかかる人が一緒のときは、早めに行動をおこしたいですよね。気象情報を得る意味でも、野外レジャーにはラジオの持参をおすすめします(ちなみにFMでは受信できないそうです)。
ところで、落雷時に「金のアクセサリーや時計・指輪などをはずすと安全」というのは本当なのでしょうか? 金属類を着けていてヤケドしたり、逆にそれによって命が助かったとされるケースもあったりと、断定は難しいようです。ただ実際には、人間が身につける程度の金属類は、あってもなくても落雷の誘導効果にほとんど影響ないと考えられています。さらに、ゴム長靴やレインコートなどの絶縁物は電気を通しませんが、巨大な雷電流に対してはまったく役に立たないのだとか。なので、「金属製品は身に付けたままでいいので、すばやく身を低くして様子をうかがいながら、安全な場所に避難することを考える」のが、正解といえそうです。落雷の間隔は約1分程度あるので、その合間を使って安全な場所を目指しましょう。時間は短くなる場合も想定して迅速に対応したいですね。

エクレア(エクレール)は仏語で「雷・稲妻」の意味!

「焼いた表面にできる割れ目が稲妻みたいだから」「アイシングがギラッと光るから」「中のクリームがこぼれたり表面のチョコが溶けないうちに稲妻のようにすばやく食べるべし!」 などの由来があるそうです。気軽に手で食べられるエクレアは、お花見弁当のデザートとしても大人気。野外でかじるときは、頭上に浮かぶ雲の様子にもちょっと注目してみてくださいね。
<参考>
『解明 カミナリの科学』岡野大祐(オーム社)
『カミナリなんて怖くない』饗庭 貢(北國新聞社出版局)


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