いよいよヨーロッパ編! タラ、たら、鱈のお話

tenki.jp

スペインの市場に並ぶ干しタラ (16:30)tenki.jp

スペインの市場に並ぶ干しタラ (16:30)tenki.jp
2月にお届けした「鱈」にまつわるお話。北半球の寒い海でとれるタラは、日本のみならずアジアや北アメリカ、ヨーロッパなど、多くの地域で重要な食材でした。
前回はアジアを中心にお伝えしましたが、今回はヨーロッパ編。ヨーロッパ各国で愛されてきた、タラにまつわる物語をお届けします。

古くから国際的に取引されていた「タラ」

ヨーロッパというと「魚よりも肉なのでは?」という印象があるかもしれませんが、沿岸部などでは魚介類が盛んに食べられています。
そんなヨーロッパで広く普及している食材といえば「干しタラ」。
北ヨーロッパ、とくにノルウェーでは古くから漁業が盛んで、干したタラをヨーロッパ各地に輸出してきました。
冷蔵庫などなかった時代、保存がきくタラの加工品は、貴重な食材だったのです。
8世紀から11世紀にかけて、ヨーロッパのあちこちに進出した「ヴァイキング」。
彼らが追い求めていたのも、交易品として高い値で売れるタラの漁場だったといわれます。
スペインやポルトガルの漁民も、北ヨーロッパの海に遠洋漁業に出かけ、タラを獲っていました。
ちなみに、タラを塩干しする技術は、スペインのバスク地方が優れているとか。
タラ交易による経済力が、バスクが独立を保った背景にあると言われているほどです。

ハンザ商人の活躍が、あのイギリス料理を生んだ?

14~17世紀には、ドイツのハンザ商人が北欧に進出し、干しタラの売買を独占。
当時のヨーロッパでは、キリスト教の食習慣を守る人が多く、復活祭前などの「肉を食べない時期」にたんぱく源として干しタラを求める需要が高かったのです。
さらに「大航海時代」を迎えると、アジアなどへの遠洋航海にあたり、日持ちのする食料として干しタラ需要はさらに高まっていきました。
ハンザ商人によるタラ売買の独占に伴い、「新大陸」アメリカに漁場を求めたのがイギリスの漁民たちです。
その結果、イギリスの市場に安く大量にタラが流通するようになり、有名な「フィッシュ&チップス」の誕生につながったといわれています。

味わい色々、ヨーロッパのタラ料理!

「フィッシュ&チップス」のみならず、ヨーロッパのタラ料理は多種多様。
本場(?)ノルウェーでクリスマスに食べられるのが、「ルーテフィスク」という伝統料理。干しタラを白樺の木の灰汁(あく)に漬けて戻してから煮込んだ料理で、ゼリー状の食感が特長です。
フランスの地方料理「ブランダード」は、干しタラをゆででほぐし、オリーブオイルや牛乳とともにクリーム状に仕上げたもの。
ポルトガルやスペインにも、塩干しタラ(バカリャウ、バカラオ)を使ったコロッケなどの料理がたくさんあります。
2回にわたってお届けしてきた「タラ(鱈)」の物語、いかがでしたか?
ヨーロッパに行く機会がある方、各国料理のレストランに行く方は、ぜひタラや干しタラの料理に注目してみるのをおすすめします!
参考:谷澤容子著・こどもくらぶ編「世界の保存食」(星の環会)
農山漁村文化協会編「地域食材大百科」(農山漁村文化協会)

続きを読む

この記事にコメントをする

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック