銀杏(イチョウ)が薄っすら色づきはじめたら、銀杏(ぎんなん)が美味しい季節のサイン! 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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銀杏(イチョウ)が薄っすら色づきはじめたら、銀杏(ぎんなん)が美味しい季節のサイン!

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煎り銀杏、かき揚げ、八宝菜や中華炒め、茶碗蒸し。おいしいレシピがたくさん浮かびます

煎り銀杏、かき揚げ、八宝菜や中華炒め、茶碗蒸し。おいしいレシピがたくさん浮かびます

イチョウの実 あの独特の異臭は、動物から種子である銀杏(ぎんなん)を守るためともいわれています

イチョウの実 あの独特の異臭は、動物から種子である銀杏(ぎんなん)を守るためともいわれています

香ばしい煎り銀杏(ぎんなん)

香ばしい煎り銀杏(ぎんなん)

黄金色のイチョウ並木

黄金色のイチョウ並木

翡翠(ひすい)色が美しい銀杏(ぎんなん)。ねっとりとした食感と独特の風味がたまりません。
旬は10~11月。種子である銀杏(ぎんなん)は、栄養価が高く、感染症を予防する成分が多く含まれ、風邪をひきやすい秋から冬には最適の食材です。
また、銀杏(イチョウ)の木は、育てやすく大気汚染や悪天候にも強いため、古くから神社や仏閣に、現代では街路樹としてよく使われます。秋の紅葉では私たちの目を楽しませてくれます。昭和41年11月14日の都民投票で、東京都の木に選定されました。
このたびは、この季節、私たちの生活に縁が深い、銀杏(ぎんなん)と銀杏(イチョウ)の木にまつわるお話です。

「銀杏」と書いてなんと読む?! 「イチョウ」も「ぎんなん」も同じ漢字?!

秋になると黄金色に色づく美しいイチョウ は、もとは中国原産の裸子植物です。約2億年前から存在する原始的な性質を残した貴重な樹木とされています。現在のイチョウは、約20種あったイチョウ科の中で唯一生き残った種で、1属1種という珍しい植物です。雌の木と雄の木がそれぞれ葉の芽吹きとともに花をさかせます。果実は球形で、雌の木にのみ黄熟します。
銀杏(ぎんなん)は本来、木の名でもあり、実の名でもありました。
後の明代(室町時代)に、葉の形がアヒルの足に見えることから、中国語で鴨の足を意味する「鴨脚(ヤーチャオ)」と呼ぶ銀杏の別名が伝わりました。これが訛って「イチョウ」となったとされています。
その結果、従来の表記の「銀杏の木」を「イチョウのき」と読むようになり、実のときだけ「銀杏」を「ぎんなん」と古来の読み方で読んで、区別するようになったといわれています。

栄養価が高い食材、銀杏(ぎんなん)の魅力

銀杏(ぎんなん)には下記のような特徴があります。
・でんぷん、カロテン、ビタミンCなどを含んでいます
・ミネラルも豊富です。カリウムをはじめ、マグネシウムやリン、鉄など、骨を作るのに欠かせないミネラルを沢山含んでいます。
・肺の働きを強めます。中国では古来より肺の病によく効く薬とされており。咳、痰、呼吸困難などを治す薬効があるとされています。膀胱や腎臓をあたため機能を良くして、夜尿症にも効くともいわれます。
銀杏(ぎんなん)は、収穫した実(果肉)から種を取り出して、その種子の中の胚乳部分をいただきますので、滋味あふれ栄養が豊富なのはうなずけますね。
この時期、銀杏(ぎんなん)拾いのために、早起きされる方もいらっしゃるのでは!
イチョウがすっかり色づくころでは、遅いのだそうです。薄っすら色づきはじめたら、そろそろ銀杏(ぎんなん)が熟し、美味しい季節のサインでしょうか。銀杏(ぎんなん)拾いに必要な手袋やそのほかのアイテムや種の取り出し方は、下記のリンクを参照ください。

銀杏(ぎんなん)の食べ過ぎに注意!

美味しくて健康にもよく、ついつい食べ過ぎてしまう銀杏(ぎんなん)ですが、食べ過ぎると体に良くないと言われています。
銀杏(ぎんなん)には、ビタミンB6の作用を妨げるメチルビリドキシンという中毒物質が含まれており、意識不明や痙攣を引き起こすと言われています。特に幼児には解毒能力が弱いので注意が必要です。子供の場合だと一日5、6個食べただけでも中毒症状が出ることもあるらしく、銀杏の食べ過ぎによる中毒の報告のうち70%は子供だとも言われていますので、どうぞお気をつけください!
近年ひそかなブームなのか「揚げ銀杏」なるお菓子(おつまみ)を店頭でよく見かけます。かくいう筆者も大好物なのですが、適度な量で楽しみたいと思います。

イチョウの木の生命力てすごい! 水を噴いて火事を消すって本当?!

江戸は火事が頻発した街でしたが、火炎がイチョウの木に迫ると、太い幹や枝から水を噴き出して枝葉へ火が燃え移るのを阻止するといわれてきました。
18万戸の家屋が焼失した歴史的大火災、天明の大火(1788年)ではこんな話が残されています。本能寺境内の大きなイチョウの木の下には、逃げ場を失った数十人が身を寄せ合っていました。炎が寺全体を呑み込む勢いで迫ってきて全員が「もはやここまで」と観念したその瞬間、大きな木が勢いよく水を噴き上げ、この水のおかげで数十人やけど1つ負わずに助かったとか。以来、この木は「火伏せのイチョウ」として大切に奉られるようになりました。
時代も変わり、関東大震災では、浅草寺の境内に生えていた何本かの大イチョウが、火事の炎で枝葉がまさに焼かれようとしたとき、いっせいに噴水のように水を散布して延焼を防いだという伝説が残っているようです。
東京大空襲でも、同様のことが伝えられており、1945年(昭和20)3月10日、御茶ノ水の湯島聖堂(昌平坂学問所)に焼夷弾が落ちて大成殿が炎上したとき、東側の神農廟に接して植えられた大イチョウの木々に火が燃え移ったときもイチョウの木が水をふいて自己消火をはじめたといわれています。
「水を噴く」というのは水蒸気ではないかともいわれていますが、実際に、イチョウ、サンゴジュ、シイ、カシ、ナラ、モチノキ、ツバキ、サザンカ等の樹木は枝葉に含む豊富な水分で火を防ぐことはよく知られています。
また第二次大戦において広島に原爆が投下され、70年間植物は生育することが出来ないであろうといわれる中で、真っ先に新しく芽を吹き返したのはイチョウでした。畏敬の念を払い「防火の樹」と呼んで祭る地域もあります。
生命力あふれるイチョウの木は、私たちに勇気を与え、美味しい銀杏(ぎんなん)や美しい紅葉を提供し、防火の役割までも果たしてくれているのですね。
さて、11月9日は119番の日、昨日より1週間「秋の全国火災予防運動」が行われています。
乾燥や火の元に注意して、元気に美しい秋を楽しみましょう!


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