野県の諏訪大社において、7年に一度だけ行われる神聖な行事「御柱祭」。御柱は長さ約17m、直径約1m、約10トンもの巨木ですが、これを人の力だけで諏訪大社へと運んでいくのです。
御柱祭に集う観光客の数は200万人を超えるともいわれています。これだけ多くの人を集める御柱祭の魅力は、何といっても「人の力」でしょう。血気盛んな氏子たちが命懸けで御柱を運んでいく迫力は圧巻の光景です。日本三大奇祭の一つであり、日本を代表する神事の御柱祭とは一体どんな行事なのでしょうか?
●平安時代より伝わる伝統行事、御柱祭とは?
御柱祭とは、正式名称を「式年造営御柱大祭」といい、諏訪大社の行事です。諏訪大社は諏訪湖を隔てて南側が「上社」、北側が「下社」となっています。上社にある本宮と前宮、下社にある秋宮と春宮、これら4つの社殿の四隅にある御柱を建て替えるのがこの祭りの目的です。
計16本の大木は2年ほど前から「見立て」が行われ、厳しい審査を通った木だけが御柱に選ばれます。歴史をたどると、古くは平安初期の桓武天皇の頃から行われていたといいます。また、文献には「寅・申の干支に当社造営あり」との言葉も。この言葉が今の時代にも伝わり、7年に一度しか行われない貴重な祭りとなっているのです。
●最大の見せ場、命懸けの「山出し」
では、御柱祭はどのような流れで行われるのでしょうか?
御柱祭は主に2つのパートに分かれます。4月に行われる「山出し」と5月に行われる「里曳き」です。山出しは御柱を山から里に出す行事ですが、この光景が迫力満点。なかでも「木落とし」は山出しの最大の見せ場。傾斜約30度の斜面で、氏子を乗せたままの御柱を一気に落とします。