1尾70,000円! 幻の鮭“鮭児”とは? 七十二候 《さけの魚 むらがる)》 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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1尾70,000円! 幻の鮭“鮭児”とは? 七十二候 《さけの魚 むらがる)》

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桂魚の定番、甘酢あんかけ。食べ方も鮭とは全然違う。

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幻の鮭児。値段はいったいおいくら…?

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トラウトサーモンの切り身。サケと信じていたのに…。

トラウトサーモンの切り身。サケと信じていたのに…。

秋鮭の旬の時期が過ぎ、お歳暮用の新巻鮭のシーズンとなりました。12月17日~21日は、二十四節気「大雪(たいせつ」」の末候、「鱖魚群(さけのうお むらがる)」にあたります。ところで、この時期出回る「新巻鮭」の語源はご存じですか? また、1尾70,000円の幻の鮭、“鮭児”を見たことがありますか!? さらに、名前にサーモンがつくのに鮭じゃない魚とは何でしょう? 「さけの魚 むらがる」の時期、鮭にまつわるあれこれをご紹介します。

七十二候 「鱖魚群(さけのうお むらがる)」。桂魚が川で群れて泳ぐ時期。

「鱖」とは「鱖魚(けつぎょ)」のことです。スズキ目の魚で、中国では桂魚と呼ばれる淡水魚のことをいい、高級食材として扱われています。川を群れて泳ぐ魚で、日本に中国の暦が入ってきたとき、日本にいない鱖魚よりも、昔から食べていた鮭のほうがしっくりくるということで、「鱖魚群」と書いて「さけのうお むらがる」と読んだようです。
鮭の遡上は、北海道では11月中旬まで、東北地方では11月下旬ころまで続きます。鮭が川を上る姿は東日本の風物詩で、各地で、鮭のつかみ取り大会や、新巻鮭作りなどのイベントが開催されます。

東日本のお正月といえば “新巻鮭”。古くは “荒巻” の字を使っていた。

お正月の魚というと、西日本では鰤(ぶり)ですが、東日本では鮭です。12月は、秋に獲られた鮭が新巻鮭として、お歳暮やお正月の贈答用に出回る時期です。
もともと「あらまき」とは、鮭に限らず、さまざまな種類の魚の内蔵を取りのぞき、塩漬けにして、葉や竹の皮で巻いたものを指していました。
漢字は現在の「新巻」ではなく、「荒巻」の字を使っていました。その語源は諸説あり、荒縄で巻いたから「荒巻」、あるいは、ワラで巻いたから“わらまき”が転じて「荒巻」、また、塩を粗くまいたから“粗まき”、などなど。
荒く巻いた鮭が年末年始の贈答用とされるようになったのは、江戸時代の後期からです。さらに明治時代になると、荒く巻いた、という意味が薄まり、「新物の鮭」、「秋に新しく獲られた鮭」という意味あいが強くなり、「新巻鮭」となりました。
新巻鮭の作り方はシンプルで、鮭を塩づけにして充分に水分を抜き、1週間ほど天日干しをすれば出来上がりです。気温が低いときに作るのがコツです。
最近では、鮭ではなく、安価な“新巻マス“なども出回っているようです。養殖のマスは脂が多いのが特徴ですが、脂分を好まない人にはやはり、“本物”の鮭の新巻がおいしいと感じるようです。

幻の鮭、「鮭児(けいじ)」。1尾なんと70,000円超え !!

毎年、11月上旬~中旬にかけて、北海道のオホーツク海側で獲れる鮭児。10,000匹中、わずか1、2匹しか獲れないことから、幻の鮭とも呼ばれています。
鮭児はロシアのアムール川生まれのシロサケで、日本生まれの鮭の回遊にまぎれて南下してしまい、北海道のオホーツク海でまれに漁獲されるものです。生まれてから3~4年のものが多く、卵巣や精巣が未成熟の若い鮭です。
普通の鮭は脂肪率が2~15%なのに対し、鮭児は通常の2倍以上、20~30%もあります。ゆえに、身は脂がのっていて、とても美味。マグロの大トロのような味です。
そんな幻の鮭児。もちろんお値段はビックリ級です。平均すると、切り身は1切れ3000円、半身で40,000円、1尾は70,000円から!! 高いものだと1尾130,000円するものも!! お歳暮に鮭児を…とは気軽に言えない価格ですね。

「トラウトサーモン」。名前に “サーモン” がつくけど、実はニジマス。

この構図、どこかで見たことがありますね。そうです。シシャモと信じて食べていた魚が、実は、呼び名がカラフトシシャモで、種類はカペリンという魚だった…。あの構図です(下記リンク先「シシャモが獲れない!!」を参照)。
トラウトサーモン(またはサーモントラウト)もこの構図と同じです。名前にサーモンとつくものの、これは単なる商品名で、魚の種類としてはニジマスです。ノルウェーやチリの海で養殖されたニジマスの商品名に「サーモン」がついているのです。
シシャモじゃないのに、商品名にシシャモがついていたり、鮭じゃないのに、商品名にサーモンがついていたり…。魚の呼び名の世界は、なんともややこしいですね。
鮭の漁獲量№1の北海道では、今年も鮭の水揚げ量が低調です。記録的な不漁だった去年よりも3%増えたものの、不漁には変わりありません。特に、釧路や十勝では15%の減、オホーツク海側でも水揚げ量は伸びませんでした。
とはいえ、北日本では年末年始の魚といえば鮭です。最近は輸入の安価な“マス”が出回っていますが、日本で古くから関わりの深かった鮭の文化を、これからも大切にしていきたいものです。


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