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東大より医学部をめざす受験生たち 合格後悩んで退学するケースも

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 東大よりも医学部へ。究極の「資格」を手に入れられる医学部人気が過熱し、志望者が増え続けている。文科省はこの6年で、定員を1400人増やし、地域や診療科目によって生じている医師不足解消を図ったが、それも医学部人気の加速につながっている。

 その背景について、河合塾の近藤治教育情報部長はこう解説する。

「やはりリーマンショック以降の『理系シフト』が影響を与えていることは否定できません。それ以前であれば文系に進んだであろう高校生も、高1の段階で理系を選び、最難関である医学部にチャレンジするようになったという指摘は一面の真理といえるでしょう」

 経済や社会の情勢が不安定な中で、文系に比べて就職が安定した理系に進み、将来を見据えて何か資格を取得したい。そんな思いを抱いた受験生や親にとって、その資格のトップに君臨するのが「医師」なのだ。

 もっとも、ある教育関係者は、この医学部人気を批判的に見る。

「かつては、『医者になりたいから医学部』という受験生がほとんどでした。しかし現在は『成績がいいから医学部』という受験生が増えています。さらに高校側も、進学実績を上げたいとの思惑で、成績優秀者に医学部受験を勧めるところも一部あるといいます」

 以前であれば東大の文Iを受けていたような受験生が、今では、どの大学でもいいので医学部を目指す。あるいは、成績優秀者がたまたま医学部受験をし、合格を果たす。こうしたケースは、決してまれではないという。東日本のある国公立大学の医学部教授が、こんな懸念の声を上げる。

「有名私立高校でも、最近は東大より医学部の合格者数を宣伝に使います。そうすると一定数、成績がいいだけの高校生が入学してしまうんです。そうした学生は受験勉強しかしていませんから社会性に乏しい。せっかく入った医学部で勉強するうち、将来に悩んで退学する学生も存在します」

週刊朝日  2014年4月25日号より抜粋


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