
「増税」に関する記事一覧



弁護士の牛島信氏 「日本型経営は世界に誇れる」
消費増税問題や政治への不信感などから近年よく耳にする「社会の閉塞感」という言葉。「生きがいがない」のも閉塞感のひとつ。しかし、日本企業の経営方針のなかにその「生きがい」はあると、作家でもあり弁護士の牛島信氏は話す。 「かつて私は、王子製紙が、北越製紙に敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕掛けた際、北越製紙側の弁護士を務めました。強く印象に残ったのは、北越製紙の幹部たちが、必死に会社や従業員の雇用を守ろうとしていた事実です」 こうした従業員の雇用に重きを置くのが日本型の経営だが、米国は違う。突然、会社から「明日から来なくていいよ」とクビを切られることが当たり前。それでも「会社がつまらない」と言うのは個人の姿勢に問題があると牛島氏は指摘する。 「会社という組織を否定的に、冷めて見るのではなく、もっと堂々と『会社のために』働いていいんです。会社の役に立つように働くということは、組織の一部になる、ということでは決してありません」 人は働くことに生きがいを見つけ、幸せになれる。 「会社と自分は実は対等でギブ・アンド・テークの関係なんだ。自分は社会で自立しているんだ、という自尊心を取り戻してほしい」(牛島氏)

竹下登元首相が語った消費増税「三つのタブー」
民主党の小沢一郎元代表(69)が陸山会裁判で無罪を勝ち取り、いよいよ野田佳彦首相(54)との対決の号砲が鳴る。行き着く先は党分裂か、それとも小沢総理誕生か。 そうした大政局の渦中の5月下旬、永田町で物議を醸すこと確実な一冊の本が出版される。 『消費税国会の攻防 一九八七-八八 平野貞夫衆議院事務局日記』(千倉書房)。 元参院議員の平野貞夫氏(76)が、衆院事務局委員部総務課長と委員部副部長時代に記した10冊の日記やメモから売上税・消費税関連部分を抜粋し、与野党の水面下の動きを白日のもとにさらす問題作だ。 この本が扱う1987年1月から88年12月は、中曽根康弘内閣が売上税法案を成立させようと執念を燃やしたが失敗し、後を継いだ竹下登内閣が消費税法案を成立させた時期だ。消費増税を最大課題とする今国会と重なる部分は少なくない。 著者である平野氏は生前の竹下元首相について触れ、「野田首相は小沢さんが支援できる状況をつくりだすべきだ」と指摘する。 「竹下さんは生前、消費税率を上げる際の『三つのタブー』を語っていました。『売上税のときのような公約違反は駄目』『財政赤字を補填するために上げてはいけない。まずは赤字の原因を直してから』『(消費税は)逆進性が強い点に配慮するべき』。小沢さんも全く同じ考えです。こうした基本をきちんと踏まえ、各党と2~3年かけて協議しないと、政治の信頼を失うだけです。野田首相が増税を実現させたいのなら、もっと丁寧に取り組むほうが早道です」


特集special feature

現金は「贈与」で節税――孫の入学金や留学費用負担も非課税の対象
野田政権が3月30日、国会に提出した消費増税法案には相続増税も盛り込まれた。節税のために親は、子は何ができるのか。 政府の改正案には「減税」の項目もある。20歳以上の子・孫に資産を生前贈与する際の税率が緩和されたのだ。森資産会計の原真美子税理士はこう指摘する。 「不動産などと違い、評価額の下げようのない現金は、この『生前贈与』が節税のポイントになります」 生前贈与の優遇策としては、「住宅取得資金贈与の非課税特例」が代表的だ。両親や祖父母などから資金援助を受けて住宅を購入する際、その贈与税が大幅に減額されるという制度だ。 子や孫の生活費、教育費を負担するのも贈与とみなされず、非課税となる。 「生活費には治療費や養育費も含まれます。教育費は学費、教材費、文具費などで、常識の範囲内であれば贈与税がかかりません。特に教育費は医学部への数千万円の入学金や海外留学費など、高額でも必要なお金であればOKなので節税効果は大きい」(マックス総合税理士法人の武石竜税理士)




