わが子をAIの奴隷にしないために 戦後、エレクトロニクスで第三次産業革命をリードした日本は、ハードからソフトに重点が移った第四次産業革命には完全に出遅れた! 今日の家電メーカーの凋落は、モノ作りでは戦えなくなった日本の姿を象徴している。そう、<「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と謳われた日本の黄金期は、第三次産業革命の勝利によってもたらされましたが、束の間の勝利に酔いしれている間に、世界は先に進んでしまったのです>。 今週の名言奇言 2/6 週刊朝日
シルバー川柳特別編 ババァ川柳 人生いろいろ編 こんなシリーズが出ていたとは知りませんでした。「笑いあり、しみじみあり シルバー川柳」。仙台市で発行されている高齢者向けフリーペーパー「みやぎシルバーネット」の連載に河出書房新社への投稿を加えた川柳作品集。すでに第12弾まであり、他に特別編も。本書『シルバー川柳特別編 ババァ川柳 人生いろいろ編』は女性の句だけを集めた一冊だ。 今週の名言奇言 1/31 週刊朝日
愛という名の支配 2018年、19年はフェミニズム本の当たり年だった。新刊書の出版が相次ぐ一方、過去の著作にも新たな光が当たりはじめた。昨年11月に文庫の形で復刊した田嶋陽子『愛という名の支配』(初版は1992年)もそんな一冊。「田嶋陽子さんって、テレビに出まくってたあの先生よね」というイメージが強いかもしれないが、どっこい、彼女の啓蒙力は高かった。その証拠に、昨年創刊されたフェミニズム系の新雑誌「エトセトラ」第2号(山内マリコ&柚木麻子責任編集)の特集は「We LOVE 田嶋陽子!」である。 今週の名言奇言 1/17 週刊朝日
男はつらいよ お帰り 寅さん 「男はつらいよ」シリーズはかつて正月映画の定番だった。それが22年ぶりに復活、もっか全国で公開中だ。山田洋次原作&脚本・朝原雄三脚本・小路幸也著『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、シリーズ50作目に当たる同名の映画のノベライズ版である。 今週の名言奇言 1/9 週刊朝日
神社で拍手を打つな! 今年もまた宗教に対する日本人の無節操ぶりが発揮される時期がやってくる。クリスマスで騒いだ1週間後には寺が鳴らす大晦日の除夜の鐘を聞き、その数時間後には神社に初詣に出かける……。 今週の名言奇言 12/20 週刊朝日
セレクション戦争と文学4 女性たちの戦争 日米開戦(真珠湾攻撃)の日である12月8日は戦争を考える重要なメモリアルデーのひとつ。『セレクション戦争と文学4 女性たちの戦争』は、大型企画「コレクション戦争×文学」(全20巻+別巻1/2011~13年)から十五年戦争関係の巻を選んで文庫化した全8冊シリーズの一冊。女性作家の小説やエッセイを中心に27編の作品が収録されている。戦時中に書かれた翼賛的なものから、当時をふりかえって戦後に書かれたものまで中身はいろいろ。 今週の名言奇言 12/12 週刊朝日
知っておくと役立つ街の変な日本語 今年も新語・流行語大賞の季節が来た。もっとも世間には日常語以上、流行語未満の日本語があふれており、そっちのほうがむしろおもしろかったりする。『知っておくと役立つ街の変な日本語』の著者・飯間浩明さんは『三省堂国語辞典』(『三国』)の編纂者。本書は言葉のハンターによるいわば新日本語候補のカタログだ。 今週の名言奇言 12/6 週刊朝日
教養としてのヤクザ 吉本興業の複数の芸人が反社会的勢力(反社)の会合に出席していた「闇営業」が問題になったのは今年の夏だった。でもさ、反社または暴力団ってどんな人たちなの? 『教養としてのヤクザ』はそのへんの素朴な疑問も踏まえつつ、反社と呼ばれる人々のいまに迫った対談だ。対談者の溝口敦氏はヤクザを長く取材してきたノンフィクション作家、鈴木智彦氏はヤクザ専門誌「実話時代」の編集部に長くいたライターである。 今週の名言奇言 11/28 週刊朝日
「姐御」の文化史 <日本にはかっこいい女性のロールモデルがいない。本当だろうか?>。それが著者の問題意識。伊藤春奈『「姐御」の文化史』は江戸から明治・大正・昭和までの娯楽作品などを通し、女性のジェンダーロールを逸脱した強い女性像を追った異色の文化史である。 今週の名言奇言 11/22 週刊朝日
はじめよう!SOGIハラのない学校・職場づくり SOGIと書いて「ソジ」と読む。Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の頭文字をとった言葉である。SOGIハラとはつまり、性の多様性に対するハラスメントのこと。 今週の名言奇言 11/8 週刊朝日
貧困専業主婦 衝撃的なタイトルだ。周燕飛『貧困専業主婦』。夫は一流企業の社員でそこそこ裕福。そんな専業主婦のイメージを、著者はいきなりくつがえす。専業主婦世帯の貧困率は12%で、パート労働などをする共働き世帯(貧困率は9%)より貧困率が高い。<「専業主婦=高収入男性の妻」とのイメージ>は虚構にすぎない、と。 今週の名言奇言 11/1 週刊朝日
憲法九条は世界遺産 書名も版元も意外といえば意外。『憲法九条は世界遺産』。著者は2012年に政界を引退するまで当選連続10回、党幹事長などの要職を歴任し、日本遺族会の会長も務めた自民党の元大物代議士・古賀誠氏である。保守派といっても戦争体験者だもんね、平和への思いは強いよね、とおおざっぱに予想しますよね。でも……。 今週の名言奇言 10/25 週刊朝日
僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話 著者は当時NHKのアナウンサーだった。入局して13年。情報番組「シブ5時」のレポーターなどを務めていた。それが! 2016年1月10日朝、チャイムが鳴って出てみると、目の前に15人ほどの集団。厚労省の麻薬取締部の取締官たちだった。塚本堅一『僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話』は、違法薬物の所持と製造で逮捕された彼の、その後3年間の記録である。 今週の名言奇言 10/17 週刊朝日
店長がバカすぎて 早見和真『店長がバカすぎて』。書名を見て、ウチの店長も……と思う人がかなりいるんじゃないか。私もタイトル買いしちゃったのだが、じつはこれ、都内のとある書店を舞台にした小説なのだ。 今週の名言奇言 10/9 週刊朝日
人生で大切なことは泥酔に学んだ 泥酔して道や電車で昏睡している人を見なくなった気がする。若い人はそもそもあんまり呑まないしね。にもかかわらず、この書名。栗下直也『人生で大切なことは泥酔に学んだ』は過去の名のある人たちがいかに酒呑みだったかを暴いた不埒なエッセイである。 今週の名言奇言 10/2 週刊朝日
同窓会に行けない症候群 70代の同窓会参加率が62.2%なのに対し、60代は42.5%、50代は24.8%。参加しない理由で目立つのは「自分に自信がないから」。鈴木信行『同窓会に行けない症候群』は、同窓会を介して平成30年間の経済と働き方の変化を追った異色の仕事論である。 今週の名言奇言読書 9/27 週刊朝日