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PTA会費のもめごと ついに決着は司法の場へ?

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 PTAの運営のために定期的に収集されるPTA会費。しかしその使い道には疑問の声も上がっている。

 文部科学省が47都道府県と20指定都市の計67教育委員会に行った調査(2007~11年度)では、約6割の教委でPTA会費を学校経費に流用した公立学校があった。

 たとえば、校舎の修繕などの経費は、本来は公費で負担するべき項目だ。ほかにも窓ガラス修繕や樹木剪定(せんてい)、受験雑誌や教科で使う備品の購入なども学校管理経費であるため、PTA会費から払う必要はない。

 ただ、これについて、文科省は「割り当てて強制的に徴収するのではなく、PTAなど学校関連団体などが真に任意に経費の支援を行うことは禁止されていない」とするため、線引きが難しい。しかし、そうはいっても、入学して自動的に会員になった人がいたら、それは任意ではなく強制的に経費を肩代わりさせられている状態なのだ。

 ここ数年、強制的な入会による会費の徴収に対して、疑問を持つ保護者も増えてきている。一部の教育委員会では任意加入の徹底を要請するようになってきた。だが、任意加入であると周知し、会費で支援する項目を明確にしたうえで、支援に合意した人が入会するという仕組みができているPTAはまだ少ないのが実情だ。会員とPTA側との話し合いがつかないケースでは、法的手段に訴えるという動きも出てきた。

 熊本市内の公立小学校PTA会長に対して会費などの返還を求め裁判をおこした男性(57)は、09年に同校に子どもが転校した際、同意書やきちんとした説明がないまま強制的に入会させられたと主張する。

「慣習化された活動の負担の大きさや、会費の使用用途に納得できなかったことがきっかけで、PTAに疑問を持った」

 男性はPTAから退会しようとしたが、退会届を受理してもらえなかったという。PTAの問題に詳しい文化学園大学の加藤薫教授は、今回の裁判の意義について指摘する。

「“強制加入でない”というPTAの原則が、司法の場で確認されるのではないでしょうか」

AERA 2014年8月4日号より抜粋


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