書評『国道16号線 「日本」を創った道』柳瀬博一著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

国道16号線 「日本」を創った道 柳瀬博一著

吉村博光書評#話題の新刊#読書

 東京の中心部から約30キロ外側をぐるりと回る国道16号線。横須賀、横浜、町田、八王子、川越、柏、木更津を通る全長約330キロ。チェーン店が並ぶ生活道路の印象がある。しかし、本書の副題をみると「『日本』を創った道」とある。どういうことだろう。

 徳川家康が礎を築いた江戸から、徐々に周縁が開け、高度成長でベッドタウン化したという印象がないだろうか。しかし、それは事実に反する。旧石器時代から人が住み、中世には多数の城が築かれ、古から栄えていたことを本書は教えてくれる。

 さらに、人が暮らしやすい小流域を生み出したプレートテクトニクスまで著者の議論は遡る。そして近代では、八王子から横浜を経て絹を輸出し、海外から文化を取り込んでユーミンらの音楽を育んだ事実を紹介。日本を創った道、決して誇張した表現ではない。
(吉村博光)

週刊朝日  2021年2月5日号


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