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美貌格差 生まれつき不平等の経済学
話題の新刊
2015/05/28 13:31
美形は得だ。しかし、具体的にいくら得をするのか。米国の経済学者が大まじめに研究した。
他人の写真を見せ、美しさを5点満点で評価する。これを大人数で行ってデータを集め、評価された人の職業や収入を調べると、露骨な答えが導かれた。男性と女性の平均でみると、見た目の良い人(4点と5点)は平均の人(3点)より収入が5%高く、悪い人(1点と2点)は10%低かった。生涯所得では2700万円もの差がついた。選挙も融資も、美貌によって結果が変わるのだという。さらに、ブサイクな人が受けている不遇は、米国での有色人種差別と同じ状況だと指摘する。事故で顔を損傷した人の損害補償を手助けしてきた著者ならではの考察だ。
とはいえ、人の魅力は容姿だけではないと著者は念押しする。人間を構成する要素の一つひとつが人生に大きな影響を及ぼしている。本書は容姿を例に、そのことを示している。だから、誰もが自分の長所を見つけ、育てるべきだ。私を含め読者が美形かどうかにかかわらず、そう読むのがいいだろう。
※週刊朝日 2015年6月5日号
美貌格差 生まれつき不平等の経済学
ダニエル・S・ハマーメッシュ著/望月衛訳


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