書評『隣の嵐くん カリスマなき時代の偶像(アイドル)』関修著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

隣の嵐くん カリスマなき時代の偶像(アイドル) 関修著

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西條博子書評#話題の新刊

 美男について論じてきた大学教員が、フランス現代思想を武器に、今を代表するアイドルグループ、嵐を分析。ブレイクの理由、グループの構造とメンバーのポジショニング、さらには彼らの魅力の源までも解き明かす。
 嵐は今や「最良の隣人」である。その魅力はSMAPのようなスター的な存在感ではなく、家族や友人のような親近感にある。著者が強調するのはメンバーの個性の絶妙な調和。「正論」を語る櫻井翔。予測不可能な「逸脱」を語る相葉雅紀。ドラマの主役を演じて光る松本潤。どのような役柄も自在に演じ切る二宮和也。精神分析学者・ラカンの理論を援用し、「語り中心の櫻井、相葉」と「演技中心の松本、二宮」といった区分から、コインの表裏のようにお互いの役割を保証している嵐の関係性を明らかにしていく。
 では、大野智はどうか。寡黙でありながらも多才なオールラウンド・プレーヤーの大野は、「みせかけ」のリーダーとしている。つまり嵐の構成は「四+α」。しかし大野=αにこそ、嵐独特の人気の秘密があるのだ。嵐への愛があふれていて楽しい。

週刊朝日 2014年8月8日号


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