2位に入ったのは、安倍晋三前首相で128件(12・7%)だった。昨年9月に持病の悪化を理由に突如として首相の職を辞したが、ネットを中心にいまだに熱狂的な支持が見受けられる。安倍前首相の再登板はあり得るのか。官邸関係者はこう見る。

衆院選の最終日夜に恒例で行う秋葉原の演説は信者の集会かのような異様な雰囲気に包まれます。国民を扇動する演説や力強い演説は、菅首相にはないものです。本人も『もう1回』と思っているのでは。ただ、健康も回復していますが、桜を見る会で検察審査会が一部を『不起訴不当』と判断し、問題がくすぶっている。再登板はかなり難しいでしょうね」

 3位に入ったのは小池百合子都知事で119票(11・8%)だった。7月の都議選では、一時は自身が特別顧問を務める都民ファーストの会の惨敗が予想されたが、過労で入院した頃から潮目が変わった。選挙最終日には電撃的に候補者の激励に回り、結果的には都ファが善戦。小池氏が存在感を出した。先の官邸関係者はこう語る。

「さすがに国政も、ましてや首相もチャンスはないというのが一致した見方でしたが、今回の都議選で存在感と政治力を高めました。年齢的にはチャンスは多くはないでしょうが、独特の政治センスと発信力はやはりさすがです。霞が関にも、防衛相時代などの繋がりでポジティブに評価する人も意外と多くいます」

 しかし、東京都では緊急事態宣言が出されており、感染拡大が抑えられていない。これから衆院選に出て、首相を目指すとなると、都知事の職を投げることになる。都民や国民が納得する理由付けが必要とされそうだ。

 意外にも票が集まったのは、日本共産党の志位和夫委員長だ。101票(10・0%)と4位に入った。一貫して政府を厳しく糾弾する姿は、若い世代からも支持を集めている。

「五輪問題も他の野党がブレる中で、首尾一貫して中止を主張しているのは志位さんや共産党だけです。話もさすがに上手い。共産党らしい一貫性を保ちつつ、他の野党との一致点で共闘すべく譲る姿勢は、枝野さんにはない志位さんならではの柔軟性なのでしょう。その辺りが期待につながったのでは」(政府関係者)

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小泉進次郎大臣は「まだ総理の器ではない」