都議選で高い勝率となった安倍前首相と小池知事(撮影・上田耕司)
都議選で高い勝率となった安倍前首相と小池知事(撮影・上田耕司)

 自民党の野田聖子幹事長代行が秋に行われる自民党総裁選挙について口火を切ったのは、東京都議選の「惨敗」の余韻が残る7月7日だった。

【図表】都議選の応援弁士「勝率」ランキングはこちら

「菅政権になってから、東京都議選も負けっていうことを認めれば全部負けている。知事選で(自民が)推薦出した方も負けている。参院補選も負けている」

 安倍晋三前首相は総裁選で菅義偉首相の再選を支持する考えをすでに表明。総裁選前に衆院の解散総選挙が行われれば総裁選は無投票再選が望ましいと語っている。だが、総裁選は党員投票を含む形で行うべきだと野田氏は訴えた。

「野田さんが発言していたように、菅首相では衆院選で『選挙の顔』にはならない、という空気が大きくなっています。都議選では50議席は確実との予想から一変し、33議席に失速。自民党では、次の顔は誰がいいのかと議論されています。都議選の応援弁士の勝率が分析されましたが、勝率80%で1位だったのは安倍前首相。小泉進次郎環境相は20%で8位と意外に低かった。選挙応援は劣勢な候補のところにテコ入れで応援に入るものなので、数字が正しいと一概には言えないですが、目安にされています」(自民党幹部)

 AERAdot.が入手した自民党の主な応援弁士の「勝率」一覧によると、1位は安倍前首相(80%)、2位は下村博文政調会長(61%)、3位は茂木敏充外相(55%)、4位は加藤勝信官房長官(50%)、5位は岸田文雄元外相(50%)、6位は丸川珠代五輪担当相(48%)、7位は河野太郎ワクチン担当相(41%)、8位は小泉環境相(20%)という結果だった。

AERAdot.が入手した自民党の主な応援弁士の「勝率」一覧
AERAdot.が入手した自民党の主な応援弁士の「勝率」一覧

 参考として都議選の最終日に都民ファーストの会の候補の応援に入った小池百合子東京都知事の勝率も記してあったが、89%と勝率はダントツだった。

 その小池氏は都議選が終わった翌日(5日)、自民党本部にいる二階俊博幹事長を訪ねた。その足で公明党本部の山口那津男代表とも会談した。

「都議選で戦った自民党、公明党を涼しい顔で相次いで訪問した小池氏。もう次、衆院選を考えているとしか、思えないね」(前出の自民党幹部)

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小池都知事は東京9区から出馬も?