招致“ワイロ”や帳簿廃棄…竹田前JOC会長が疑惑調査の皮肉【長野五輪調査報告書・後編】 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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招致“ワイロ”や帳簿廃棄…竹田前JOC会長が疑惑調査の皮肉【長野五輪調査報告書・後編】

岩下明日香dot.#IOC#調査報告書#長野五輪
招致委員会が処分した帳簿のコピー「91(平成3)年度の支出記入帳のコピー」。「長野県」調査報告書から(以下同)

招致委員会が処分した帳簿のコピー「91(平成3)年度の支出記入帳のコピー」。「長野県」調査報告書から(以下同)

 五輪が開催されるたびに必ず報じられるのは、招致ワイロ疑惑だ。まもなく開催予定の「東京2020」でも、招致委員会から海外のコンサルタント会社に支払われた約2億3千万円がIOC委員への買収工作に使われた疑いがあるとして、フランス当局が竹田恒和前JOC会長を聴取。捜査は現在も続いている。歴史は繰り返し、1998年に開かれた長野冬季五輪でも同じ疑惑が持ち上がっていた。

 世界5都市が激しい招致活動を繰り広げた末、91年に開かれた英バーミンガム総会にて開催が決定した長野五輪。当時の招致活動を巡っては、IOC委員への過剰接待や、招致を巡る不透明なカネの流れが多数あったことが、長野県の第三者委員会が調査した報告書で明らかになっている。「前編」に続き、長野冬季五輪招致における不正を追及した「長野県」調査委員会(2005年11月)の報告書を、調査メンバーの一人だった後藤雄一さん(71歳、元東京都議会議員)に読み解いてもらった。後編では、帳簿廃棄や使途不明金の問題を取り上げる。

<<前編『IOC貴族への過剰接待リスト 渡航滞在費は夫妻450万円、土産代計6300万円【長野五輪調査報告書・前編】』から続く>>

【写真】使途不明金9000万円の存在が明らかになるきっかけとなった資料

◆会計帳簿の不自然な廃棄

 長野五輪の招致活動の原資は、長野県や市町村が拠出した交付金と負担金、そして、県民などからの寄付金からなる。長野県では交付金を交付する際、会計帳簿を5年間保存することを義務づけている。だが、招致委員会は、長野五輪開催が決定したのち、招致にかかった明細を記録した会計帳簿を「92(平成4)年3月末」に処分したと説明。調査委員会では「92年7月20日以降に処分された」と認定されている。

 94年には、住民グループが公文書を毀棄した罪で招致委員会の清算人であった当時の吉村午良知事と塚田佐長野市長を長野地検に刑事告発するも、不起訴処分となった。不起訴の理由は、招致委員会は公務所ではなく、帳簿も公用文書ではないので保管義務が生じない、という趣旨のものだった。


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