下の写真は、美しいボリューム感のある紅葉が前からの赤い光を取り込むことで、その鮮やかさをいっそう引き立てている。


長野県・乗鞍高原位ケ原。こちらは「生命力」というより、「きれいなボリューム感のある紅葉が朝を迎えた」というイメージで画面を構成している。右下に緑を入れることでバランスを崩し、単調にならないように配慮した■ペンタックス645Z・smcペンタックスFA645 45~85ミリF4.5・ISO400・絞りf22・1.3秒・PLフィルター
長野県・乗鞍高原位ケ原。こちらは「生命力」というより、「きれいなボリューム感のある紅葉が朝を迎えた」というイメージで画面を構成している。右下に緑を入れることでバランスを崩し、単調にならないように配慮した■ペンタックス645Z・smcペンタックスFA645 45~85ミリF4.5・ISO400・絞りf22・1.3秒・PLフィルター

 最後の写真は、画面右からのサイド光で写したもの。夕方、カラマツの尾根をなめるように光が差し込んだ。赤い光が当たることで、黄みのコクが増している。写真的にはコントラストが強く、インパクトがあるが、わき役となる葉を落とした晩秋の斜面のシャドー部のトーンもとても大切。黒つぶれしないように十分に配慮して露出を決めた。

長野県・女神湖。夕方、湖の表情を撮影していたら、対岸の山肌に光が差し込んだ。赤いサイド光が黄色いカラマツの斜面を照らし出し、コントラストの強いラインが浮かび上がった。背景はうっすらと雪をかぶった晩秋の山。とてもシンプルで伝わりやすい対比となった。背景のシャドー部のトーンは、晩秋を伝える非常に重要な要素なので、つぶれないように慎重に露出を決めた■富士フイルムX-T1・フジノンXF55~200ミリF3.5~4.8 R LM OIS・ISO200・絞りf13・8分の1秒・PLフィルター
長野県・女神湖。夕方、湖の表情を撮影していたら、対岸の山肌に光が差し込んだ。赤いサイド光が黄色いカラマツの斜面を照らし出し、コントラストの強いラインが浮かび上がった。背景はうっすらと雪をかぶった晩秋の山。とてもシンプルで伝わりやすい対比となった。背景のシャドー部のトーンは、晩秋を伝える非常に重要な要素なので、つぶれないように慎重に露出を決めた■富士フイルムX-T1・フジノンXF55~200ミリF3.5~4.8 R LM OIS・ISO200・絞りf13・8分の1秒・PLフィルター

写真・文=辰野 清

※『アサヒカメラ』2019年10月号より抜粋