心の奥まで涼やかに 真夏の京都は足つけ神事と涼菓で乗り切る (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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心の奥まで涼やかに 真夏の京都は足つけ神事と涼菓で乗り切る

連載「京都暮らしの四季暦」

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ナカムラユキdot.#ナカムラユキ
縄文時代から生き続ける糺の森の樹々に囲まれた休憩処「さるや」

縄文時代から生き続ける糺の森の樹々に囲まれた休憩処「さるや」

 国内外の人々を惹きつけてやまない京都。その四季折々の魅力を、京都在住の人気イラストレーター・ナカムラユキさんに、古都のエスプリをまとったプティ・タ・プティのテキスタイルを織り交ぜながら1年を通してナビゲートいただきます。愛らしくも奥深い京こものやおやつをおともに、その時期ならではの美景を愛でる。そんなとっておきの京都暮らし気分をお楽しみください。

*  *  *
■目にも心にも涼やかな涼菓を求めて

 「あっついあついなぁ」という言葉が、挨拶のように繰り返し交わされ、京都盆地特有の蒸し暑さを最も感じる7月。京では、古くからこの暑さを乗り切る工夫や行事が多く生み出され、伝え続けられています。

 視覚や味覚から感じ取る涼も暮らしの中に欠かせないもの。街のあちこちの甘味処で、水を感じさせる涼やかな表情をした和菓子が並び、軒先では “氷”の旗が、誘うようにゆらゆらとはためいています。

 かつて、夏場の氷はとても貴重なものとして大切にされていたそうです。下鴨神社、神様の台所でもある大炊殿(おおいどの)の横には、冬の新鮮な雪を夏まで糺の森(ただすのもり)に保存しておく「氷室(ひむろ)」があり、真夏の神事では、無病息災を祈願し、氷を口にしてお祓いをしていたと伝えられています。今も尚、“氷”は京都の夏に欠かすことが出来ない夏の味なのです。縄文時代から生き続ける糺の森の樹々に包まれる下鴨神社。その境内にある休憩処「さるや」で、太古の樹々に覆われた木陰の中、味わう甘味はまた格別です。今回は、心の奥まで風通し良く、目にも涼やかな京の真夏の涼菓や小物をご案内します。

下鴨神社(賀茂御祖神社)/075-781-0010/京都市左京区下鴨泉川町59/拝観時間6:30~17:00(大炊殿10:00~16:00) /御手洗祭(みたらしまつり)足つけ神事。土用の丑前後5日間開催(今年は7月19日~28日9:00~21:00)

下鴨神社(賀茂御祖神社)/075-781-0010/京都市左京区下鴨泉川町59/拝観時間6:30~17:00(大炊殿10:00~16:00) /御手洗祭(みたらしまつり)足つけ神事。土用の丑前後5日間開催(今年は7月19日~28日9:00~21:00)

■暑い夏を乗り切る 御手洗祭(足つけ神事)

 世界文化遺産「下鴨神社」では、毎年、土用の丑の日の前後5日間に御手洗祭(みたらしまつり)が行われます。氷のようにひんやりと冷たい御手洗池の水に、膝まで足をひたし、そろそろと歩き、曲橋に差し掛かったあたりで蝋燭に火を灯し祈ります。水から上がった後は、無病息災を願いつつ、葵の器でご神水をいただくのです。罪、けがれを祓い、疫病、安産にも効き目があると言われ、多くの参拝の方で賑わうお祭りです。京都に暮らしていると、飛び上がるほど冷たい水に足をつけるこの神事は、夏の楽しみのひとつでもあります。耐え難い京の暑さだからこそ、この冷たさがとても有難く、身も心も引き締まる思いがするのです。


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